「難民」という点で、世界の民族には大きく二つに分けることができる。一つが、アーリア人でインド西方からアメリカまで分布するいわゆる、ヨーロッパ、ロシア、中東、アメリカ合衆国の人で、彼らは「力があれば他国への侵略は良いことである」ということで、その主人公、たとえばローマ帝国のシーザーのように「英雄」として尊敬される。

このような地域では、「侵略」が日常的なので、それに伴って追い出される「難民」が常に発生してきた。その結果、「侵略」と「難民」はペアーになっているので、難民が発生した時にはそれを受け入れる伝統もある。

一方、アジア海洋民族やアメリカのインディアンなどは、「自分の土地は自分の土地、他人の土地は他人の土地」という意識があり、侵略はほとんどしない。このような国は、他国への侵略の主人公はむしろ悪人か失敗ととらえる。豊臣秀吉の朝鮮征伐が日本人にとってあまり歓迎されない民族性が影響している。

このようにアジア海洋民族系の場合、侵略がないので難民がでない。むしろ難民を引き受けるということは侵略を是とすることになるので受け入れない。

今回のシリア難民の場合、その発生原因は1920年代にヨーロッパが中東を適当に地図上で線引きして分割したことに端を発している。つまりアーリア人的な発想で難民が発生しているのだから、難民がヨーロッパに向かえばヨーロッパ、ロシアに向かえばロシアが収容するべきで、日本は関係ない。

(平成271017日)