日本栄養脂質学会の奥山会長などの長年の基礎的なご研究で、「植物油」というのが一般に言われているほど安全ではないこと、というよりむしろ生殖障害、認知症などの原因となる「毒物」に近いことが分かってきました。

それを裏付けるように医療の方で、かなり論議されていますが、そのなかで、脳専門の医師の方から表紙に示した書籍が発売されています。植物油、特にサラダ油を料理に使うことによって認知症を発症するということが書かれています。

日本に特別に「寝たきり老人」が多いこと、欧米人に比べて比較にならないほど、動物性の油をとらないのに、認知症が多いことなどこれまで不思議なことが多かったのですが、臨床および基礎医学からも植物油の危険性が指摘されるようになったというわけです。

論理は簡単で、植物油、特にサラダ油を食べると、ヒドロキシノネナールというアルコールとアルデヒドの官能基をもった化合物が発生し、それが神経毒、その他の影響を与えるということです。

奥山先生が私の自宅に3冊のご著書と論文をお送りいただいたとき、私はそのあまりに衝撃的な内容(自分が無知だった)にビックリし、本を読み、論文を調べ、慎重に検討した後、ネット、テレビなどでご紹介するようになりました。

今のところ、やや安全な植物油は、

1) ごま油

2) 米油で値段の高いもの

3) えごま油

4) 亜麻仁油

で、若干議論は残っていますが、オリーブ油も安全側に分類されています。

ただ、植物油と動物油の量的な関係もあり、動物油(ブタや牛の脂、魚の脂)などをある程度とっていれば植物油の危険性も緩和されるという知見もあり、なかなか難しいところです。

少なくとも現在の日本の食生活では、「動物油は健康に良く、植物油は危険」ということになります。でも、お菓子から調理食品まで「植物油を使っている」という表示が多く、なかなか植物油、マーガリンなどを避けて、バターやラードを中心とすることも難しいのですが、食事に関係する人はよく理解しておくことが大切です。

私はテレビ解説で「ココナッツオイル」に抵抗したことがあります。テレビは視聴率が高ければ良いとか、サラダ油メーカーからコマーシャルをとりたいということで、サラダ油などを良いように言いますし、NHKのように「サラサラさらだ」というようにイメージ作戦をとっているところもあります。

でも、自分や家族の健康を宣伝費などの問題で損ないたくないと思います。

(平成27922日)