憲法の選挙の規定では「自民党」などの「党名」はまったく出てこない。私たちの国民の権利は「代議士」を選ぶ、つまり自分の代わりに政治を担当する「人」を選ぶようになっている。

でも小選挙区では各党は一人しか候補者を出していないし、多くの選挙区では3人から4人の候補者だけである。だから、国民は実質的に憲法に保証された権利である自分の代わりの人を選ぶことができない。明らかな憲法違反の制度だ。

最近「一票の格差」が憲法違反かどうかが争われているが、選挙制度自体が憲法違反と思う。

その結果、自民党の得票率が国民全体の17%にしか過ぎないのに、国会で圧倒的多数を得ているという問題が生じている。棄権が50%あるが、投票するべき人がいないのだから、棄権もやむを得ない。棄権は「選挙に対する意識が低い」のではなく、「選挙制度が違憲だから」という方が正しい。

また、現在の選挙制度は「政党」に投票せざるをえないのだから、政党が解散したり、合併したりしたら、その政党の議員は辞職しなければならない。つまり、代議士が死亡したら補欠選挙をやるより、党が解散した方が補欠選挙の必要性が高い。

つまり国民は党に投票していて人には投票していないのだから、党がなくなったら、人が死んだのと同じか、それ以上だからだ。

でも、このように違憲状態の小選挙区制が実施されているのは国民の権利に対する意識が低く、金のかからない選挙のように議員の方の都合だけを優先するからだ。この際、一刻も早く小選挙区制を止めて、まずは11区ぐらいにしなければならない。

(平成2796日)