新しいことはある一人の人にとっては成功しない。日本の明治維新は正しかったが、吉田松陰は獄死、西郷隆盛は敗北して切腹である。だからといって吉田松陰も西郷隆盛も「間違っていた」わけではない。大きな歴史に対抗する人は、やがて敗れて悲惨なうちに死ぬ。

ナポレオンはロシアとの戦いに敗れてエルバ島に流され、復活してワーテルローで敗れてセントヘレナに流される。

東条英機はアメリカとの戦いに敗れて、東京リンチ(東京裁判と言われるが、裁判ではない)で絞首刑にあう。

なぜ、歴史の流れにそったこの二人が悲惨な最期を迎えるのだろうか? それは、まだ歴史が進んでいるときには守旧派が多数だからだ。さすがのナポレオンもヨーロッパ全体やロシアの冬とは戦えなかったし、さすがの東条英機も全世界を相手にしては勝ち目がなかった。

それも歴史的必然だったが、セントヘレナのナポレオンが元皇帝として遇されたのに対して、獄中の東条英機は犯罪人としての待遇を受けた。アメリカのどう猛さと同胞の日本人の裏切りだったのだろう。

(平成27812日)