時代の大きな流れの中で「正義の戦い」が行われるのだから、時代の流れにそった陣営は「大勝利」を納める。それがフランス革命後の三帝会戦であり、日本の日露戦争の勝利やシンガポール陥落だった。
ナポレオンが頭角を現してきたときにはフランスは革命に干渉してくる隣国のオーストリアなどと小競り合いを繰り返していた。しかし、ナポレオンが登場して連戦連勝をするとたちまち国民的英雄になり、やがて皇帝になる。
フランス革命は「王政を打破して民主主義を作り出す」ことが目的だったので、真逆な方向だが、それも歴史の綾である。歴史というのは一直線には行かない。必ず反動を伴うものである。
いずれにしても、ロシア皇帝、オーストリア皇帝、それに皇帝ナポレオンがアウステルリッツに会して戦争を行ったので、世に「三帝会戦」と言い、数多い戦争の命名のなかでももっとも「格好の良い名前」と言うことになっている。ここでナポレオンは大勝利をして、その後ヨーロッパ大陸の覇権を手に入れる。
一方、 日本は日露戦争の時の二〇三高地の乃木大将、日本海海戦の東郷司令長官、大東亜戦争の時の「マレーの虎」と言われた山下大将、マレー沖海戦の航空機部隊などが、それぞれ大勝利を収めて英雄になった。
なぜ、予想外の大勝利が「新しい陣営」側に訪れるのだろうか? これこそ歴史の舞台だからか、それともだからこそ歴史にのこったのかだろう。でも、歴史は前に進むので、歴史は未来を示す活動に輝きを与えると考えられる。
(平成27年8月10日)