「仮装社会」もここまで来たかというものの一つに2015年(今年)安保法案が衆議院を通過した後に安保法案反対デモが起こったことだ。実に馬鹿らしい。馬鹿らしいのは安保法案がどうのこうのではなく、デモの時期の時期だ。
安保法案を憲法解釈で実施するというのを決めた閣議は2014年7月1日で一年前。安倍政権の是非を問う選挙が2014年12月だから半年前。ずっと安倍政権は「双務的集団的自衛権を通す」と言っている。
2014年の7月の閣議決定の後、かなりの反対があった。それなら12月の衆議院議員選挙で安倍政権にノーと言えばよい。
おまけに民主党は2005年に集団的自衛権を決め、政権時代は「解釈改憲」で進めると首脳部が発言していた。維新の党も公明党も基本的には反対ではない。12月の衆議院選挙で自民党は296名で圧勝、集団的自衛権に賛成している四党の合計は実に440名で、全議席475の93%に当たる。
その後すぐの通常国会で「公約を実現するために」集団的自衛権の法案が国会に提出され、可決されたのだから、「公約が実施された」ということだけだ。そのタイミングで「反対のデモ」をするというのは「公約を守ってはいけない」というデモだから話にならない。
双務的集団的自衛権が問題なら、本当は2014年の閣議決定前、遅くとも閣議決定後、さらには総選挙のタイミングと何回も反対のデモをする「意味のある時期」があった。それを何もしないで、「公約を守ってはいけない」というタイミングでデモをするのはまさに「仮装社会」ならではのことだ。本当に公約を守ってはいけないと考えている人がいたら、民主主義を信じていないのだから、共産国にでも行って欲しいものだ。
(平成27年7月24日)