日本では「非核」であることは当然として受け止められているが、世界から見ると、日本ほどの技術力と経済力があって「非核」なのはドイツと日本、イタリア(ともに第二次世界大戦の敗戦国)だけだ。
日本では国連を「国連」と翻訳しているが、そのまま英語を翻訳すれば「連合軍」だから、まだ世界は戦争が終わったときの秩序を保持していることを示している。もし今後、世界的な戦争がなければ、第二次世界大戦の勝ち負けが長く国際政治に影響を与えることを示している。
ところで、日本は非核大国だが、アメリカの核ミサイルを積んだ原子力潜水艦が西太平洋にいるので、日本はいわゆる「核の傘」の下にいる(集団的自衛)。そして日本は50基を超える原発と濃縮技術、再処理技術、ロケット技術、それに制御はお手の物なので、核兵器とそれを運搬するミサイルはすぐ作ることができる。
つまり日本はアメリカとの集団的自衛で核武装している状態にあり、かつプルトニウムも濃縮施設ももっているので、現実に核武装し、自国でも原発を持てる状態にあるという状態だ。
諸外国は技術力が優れ、軍事も強い日本が独自の核ミサイルを持つことを極度に警戒しており、むしろアメリカの原潜の方が日本の核ミサイルより安全と思っている。日本は大東亜戦争を起こすときに諸外国に十分に説明しなかったし、日本人の中でも議論が不足していて、アメリカからの脅迫で戦争をせざるを得ないこと、日本の敵は白人であって、白人に味方しなければアジア人は攻撃しないということを明白に説明しながら攻撃を続けなければならなかった。
もし、そうしていたら、中国のように白人側について有色人種を攻撃した国は別にすると、白人の植民地で呻吟していた国は少なくとも日本を信用しただろう。
ともかく、すでに日本が核武装していることは紛れもない事実であるし、中国や北朝鮮が核武装していても、アメリカの後ろ盾があればなかなか核攻撃は難しい。現実に中国軍が通常兵器で尖閣諸島から、沖縄、本土へと侵攻してきた場合、アメリカ軍は空軍は出撃すると考えられるが、海兵隊や陸軍を出して日本を守るかどうかは不明である。
アメリカにしても海兵隊や陸軍の兵士を犠牲にするのはかなり大きな問題だからである。これは地上戦の特徴で、地上戦では「双方の力が基本的には拮抗して、お互いに血が流れる」ということだが、核武装というのは「相手を徹底的にやっつけても、自分の国の都市も全滅する」という特徴があるので、アメリカの核ミサイルを積んだ原潜が日本近海にあれば中国も北朝鮮の日本への核攻撃はできない。
日本はアメリカと同盟を結んでいる限り、核抑止力を持つので、日本が核武装する必要は無い。また被爆国として長いあいだ、原水爆禁止を世界に呼びかけてきた日本の信用、また多くの非核国の代表として活動することなどを考えると、今後も核武装せずに自衛するのが現実的と考えられる。
(平成27年7月5日)