厚労省も医学会も縦割り行政で、日本人の健康を考えず、「自分の担当の病気を減らす」ことだけをやっている。だから、ガンになろうが感染症にかかろうが、熱中症で腎不全になろうが、血圧だけを減らせばと言うことになり、年齢に関係ない130などという奇妙な基準を出していたが、このことはすでに整理した。

確かに血圧を下げれば、脳溢血は減る。それが減れば厚労省の高血圧担当官、高血圧学会、それに降下剤メーカーは良いが、国民は苦しむ。

それと同じことが女性のメタボだ。「血圧は下げれば良い、体重は落とせば良い」ということになり、日本の女性は世界でももっともやせた女性になった。

ところが、フランスで「やせすぎの女性(BMI=18以下)はモデルになってはいけない」という法律が通り、罰金は1000万円という高額だ。もちろん理由は国民の健康を損ねるから。

そうなると、日本でも出羽守が出てくる。普段はなにも判断しないのに、アメリカやヨーロッパが何かすると「ドイツでは、フランスでは」と「では」を連発する人たちだ。

このブログに再々、出しているように日本の女性は世界でダントツに痩せている(表紙を見ると、各国の女性のやせ方の中で日本だけがぽつんと離れていることがわかる)。BMI=18以下というと、12%、東京の中心部ではさらにお役所の力が強いので、実に3割の女性がやせすぎ、罰金対象である。

やせている女性がガンやその他の疾病で死亡率が上がるのは当然だが、妊娠したときの在胎日数も短く、当然ながら出生児体重も軽い。本人ばかりではなく、次世代まで大きな影響を与える政策を政府が進めているのだ。

BMI25ぐらいが良い。身長が160センチの女性なら64㌔、身長155センチなら60㌔程度だ。それ以上の25から30ぐらいがもっとも元気で、ガンも少ないとされる。つまり男性も好む「小太りの女性」が健康なのに、やれメタボだ、炭水化物を減らせとか、ひどい例になると、カロリーが少ない食事や塩分の少ない食事を「ヘルシー」と言ったり、生野菜が健康に良いなど支離滅裂だ。

出羽守も困るけれど、日本人が自らの判断力を放棄しているので、フランスの法律は参考になるだろう。それにしてもコレステロールや血圧に見られるように日本の縦割り行政で健康を指導するのは止めて欲しい。人間は人間なのだ。

お母さん、行政の指導ではなく、ご自分で娘さんの健康を守ってあげてください。

(平成27626日)