先日、福岡市立中学の男性教諭が酒気帯び運転容疑で逮捕されたので、福岡市立校の教職員が懇親会などの開催を自粛しているというニュースが流れた。先生や役人は社会の見本となるべき職業だから、法律違反を起こしたら、ある程度のペナルティーは仕方が無い。

しかし、同時に「法治国家」というものは、まずは法律に基づいて「してはいけないこと」が決まっていて、罰を伴う。法律の罰は国民相互の約束であり、お上からお達しがあるものではない。

総じて犯罪は許されないものだが、それでも「お腹が減ってパンを盗んだら死刑になった」というのは社会正義に反し、犯罪は許されないとともに適切な量刑で応じるのが近代国家というものである。またかつて「目には目を」で言われるように(真意は少し違うが)、他人の目をつぶしたから自分の目を潰さなければならないという考えもまた不適切であることはすでに定説になっている。

先生が酒気帯び運転は不適切なので、その本人の先生が判決を受けて罪に服すのは当然で、時にはある程度の自粛も必要かも知れない。でも、当の先生以外の先生が懇親会(酒を伴う)を自粛するというのは行き過ぎである。リンチに近い。

人間はとかく過剰に反応してよい子になりたがるが、「法を守る」というのが最も大切で、法律に「教職にあるものは同僚が犯罪を犯したら1年間は行動を自粛する」とあれば別だが、そんな野蛮な法律はないのだから、あくまでも個人は個人である。

法律は無視してもいけないし、過剰にリンチのようなことをしてもいけない。正々堂々、犯罪を起こしたらお白州で正直に白状し、定められた罪に服するということだ。今回は学校だが、自治体もこの手の「法律軽視」が多い。

東電福島事故では、学校や自治体は「11ミリ」という法令の基礎になる制限を無視した。学校や自治体、マスコミが、場合によって自ら法令を無視したり、過剰に反応したり、また自分たちで勝手に決めるというのは職業の倫理から言っても厳に慎まなければならないだろう。

(平成27527日)