日本人が油に注意しなければならないのは当然のように思います。表紙の写真に「普通の日本食」を示しましたが、ご飯と煮魚、それに煮物とおひたし、漬け物というと、普通の日本食ですが、そこには「油」がほとんどありません。

これに対して洋食というと、朝からベーコン、油で揚げたお菓子やバターを使いますし、中華料理でも基本は「油炒め」です。

日本食は世界でも珍しい食事で、多の国の料理は「油、辛み」でうまみを出すのですが、日本食は「うまみ成分・・・グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸・・・昆布、鰹節、椎茸」で味を出す。

驚くべき日本食ですが、その日本食を長く食べてきた日本人が「油」に対して特別な消化系、代謝系を持っていても不思議ではありません。「日本食は油がないから、油は危険」というのも即断できませんし、「動物の脂を多く獲るヨーロッパ人と違う」というのも本当かも知れません。

いずれにしても、日本食という世界でほぼ唯一の味付けの食事をとってきた私たちに「油」を供給するときには産業界、学会などもかなり慎重になって欲しいと思います。

(平成27419日)