アメリカの対外政策の基本は、
「理想を唱え、覇権を獲る」
ということだが、このような「恥ずかしいこと」を正面から堂々と言う社会であるところにアメリカの強さがある。
このような二重人格性はアングロサクソンの特徴で、イギリス人の二枚舌を、当のイギリスの劇作家バーナード・ショーは次のように言っている。
「彼等は何か欲しいものがあっても、それが欲しいとは自分自身にさえ言わない。辛抱強く待つ。そうするうちに、彼らが欲するものの持ち主を征服することが自分の道徳的宗教的義務であるという確信が心の中に生じてくる。そうなると、彼らの行動は大胆不敵なものとなる。」
NHKが大々的に報じたハーバード大学の「正義の講義」はまさにこのようなアングロサクソンの正義(いかにして本音を隠して正義らしく見せるか)という技法だった。
アジアがヨーロッパとアメリカの植民地になったのは、軍事力が弱かったことに加えて、「正直だった」ということがある。しかし正直だったということは良いことだけではない。自分が正直だから妻や子供が植民地の奴隷になるのだから、それは良いことではなく、悪い場合もある。
もう少し正義というのを広く考えないと、私たちはこれからもアメリカ、ヨーロッパと対等につきあっていくことはできないだろう。今でも、ドイツがやっているからといって、リサイクル、原発廃止などを唱える人がいるが、これも白人コンプレックスの正義だろう。
(平成27年4月6日)