現在の日本の原発は、論理的、科学的に「地震が来るとほとんどの場合、壊れる」という状態になっています。この壊れるというのは時に爆発し、時に数億ベクレルの放射線漏れを起こすということです。
なぜか、それは次のことから明らかです。
1) 原発は地震学者がその原発にどのぐらいの地震が来るかを予測して、その予測に耐えられる設計をすることになっている。
2) 地震学者の予測は当たったことがない。
そして、この論理的矛盾が存在すること、この矛盾で事故が起こったときに免責されるために「想定外の事故はやむを得ない」という文書が用意されています(2006年、原子力安全委員会配布、承認)。
当たったことがない予測に基づいて原発の耐震設計をするのですから、予測しないで建築しているのと論理的、科学的にはまったく同じです。つまり現在の日本の原発は「耐震性の論理が破綻しているまま再開されようとしている」ということになります。
表紙の図に張ったのは2006年の日本政府の地震予測ですが、東北大震災が起こった宮城県沖とその付近のマグニチュードは7.5となっており、実際に起きた地震の200分の1以下のものです。
つまり、仮に2006年に宮城県に原発を建設しようとなったとき、あるいは現在の女川原発の再開をする時に地震予測をすると、「マグニチュード7.5」ということになり、設計は現実に原発を襲ってくる地震の200分の1以下となります。
通常の建築物や機械は安全の倍率を3倍見ますが、200倍の設計はどんなときでもしません。
「地震が来たら原発はほとんど破壊される」というまま再開しようとしていますが、再開に賛成される人はこの矛盾をどのように克服しようとしているのか、公表するべきです。
(平成27年3月30日)