(このブログで原発関係の記事が減ったと言う指摘もありますが、特にそういうことはありません。変化が少ないので、相対的に記事を減らしました。事態はそれほど変化していません。)
1年1ミリの被曝限度のことが少しずつ理解されてきました。「法律に書かれていないじゃないか」と言われることがありますが、1年1ミリというのは個人の被曝量なので、たとえば原発の敷地境界で「1年1ミリ以下にせよ」という法律を作ってもどうやって守れば良いかわかりません。そこで1個人が外部、内部被曝などいろいろなところで被曝することを考え、また原発敷地の脇を通る時間なども考慮して、たとえば原発敷地境界では1年50マイクログレイと決まっていたり、食材からの被曝は日本人の平均的な食事の量などから1年1ミリ以内になるように、1キロ100ベクレルと決まったりしています。
もともと、敷地境界の空気吸収線量が50マイクログレイと決めたり、食材の汚染度を1キロ100ベクレルと決めたりするためには、その元となる「人間に対してどこまで許されるか」が決まっていないと、計算できないことを知らない人がいるという馬鹿らしい状態を少しずつ脱しつつあります。
また、福島原発事故では、広島原爆のおよそ200発分の放射性物質が大気中に出たのですが、広島の場合、爆心地から3.5キロ以内の人に対して被爆者援護法が適応されますが、この3.5キロという数値も1年1ミリで決まっているものです。
これに対して福島県が行っている外部被曝の記録では2011年に福島の主要都市で1年1ミリを超えて被曝した人の割合はおよそ70%から90%に達しており、内部被曝も計算するとほぼ全員が1年1ミリを超えていて、広島ですと全員が被爆者援護法の対象になります。
このシリーズで少し現状を考えますが、やはりかなり注意をした方がよいということです。
(平成27年3月14日)