この世には「ケンカを売る」という言葉がありますが、穏やかに相手を傷つけないように言えばすむのに、故意にか、性格かは難しいところですが、相手にケンカを売るということをする人たちがいます。

大人では、夫婦が争ってばかりいたり、親と諍いがあったり、友人とうまくいかなかったり、社会的にクレームばかり言っている人がいますし、子供の漫画の多くが「戦うもの、相手を木っ端みじんにするもの」が多いのも事実です。

一方、国と国の戦争になると「平和」は誰もが否定しない大切なことになり、諍いをできるだけ避けようというのがコンセンサスです。国と国の間は民族や利害、思想、感情などすべてが違うので、よほど相手を理解しようとしないと戦争になってしまいます。

なぜ、争いになるのでしょうか? 相手が自分や自分の家を標的にして攻撃を仕掛けてきたら防衛は必要ですが、こちらから仕掛けていく必要はないのですが、どうも人間の心には邪悪なものがあり、なんとか相手をやっつけたいと思うようです。

ケンカにならないようにする方法は比較的簡単です。

1) 自分と相手の考えなどが違っても、相手が間違っていて、自分が正しいということはわからない、

2) 相手に言い分があれば、相手の立場になって言い分を聞き、それが「相手の希望なのだ。自分が理解できないかできるかは別にして、相手の希望なのだ」と思うこと、

3) 自分にも欠点や汚いところがあるように、相手にも人に知られたくないことがあることを認めること、

4) もしどうしても折り合いがつかなければ、「そっと、静かに、徐々に」離れていくこと、

だと思っています。私は若い時代に大きな会社にいましたが、やはり人間ですからどうしてもうまくつきあえない人がいました。そのときには「そっと、静かに、徐々に」離れていくようにしていましたが、それは大きな会社だったからと思います。

大学教授になってからは、学生に「もし人付き合いに自信があれば小さな会社でも良いけれど、自信がなければ大きな方が良いかも知れないね」と体験などを話したことを思い出します。

人付き合いでもっとも難しいのが結婚生活でしょう。もともと結婚というのは男女の共同生活という意味と子孫を増やすという動物的な目的もありますから、なかなか調和が難しいのです。動物的な欲求は結婚後ほぼ3年程度で消失しますから、それまでに家族愛などの人間としての愛情に移っていく必要があるのですが、なかなか意識して夫婦の間の感情を動物的なものから人間的なものに転換できる人も多くないようです。

しかもやっかいなことに社会的なことなら、徐々に関係を薄くするとか、わざわざ攻撃しなくても良いということで終わりますが、夫婦は離婚しなければならないので、それも大変なことです。

それにしても、今日もテレビの子供向け漫画を見ていますと、全編にわたってほとんど戦いの連続でしかも相手の肉体が木っ端みじんになるシーンを繰り返し見ますと、「人間って争いが好きで、殺すのに快感を覚えるのかな」と少しガッカリしました。

(平成2738日)