この地球に「生命」が誕生したのは、大気のほとんどがCO2(二酸化炭素)だったからだ。今ではエセ学者がCO2を悪者にしてしまったので、日本では科学的に正しい味方がなくなってしまったが、事実は事実だから消すことはできない。

「命」というと多くの人はそれぞれ違うイメージを持っているけれど、ほとんどの人は「命とは生まれたり死んだりするもので、輝かしく、大切で、崇高なものだ」と思っている。でも、資源学的、物理的に「命」を見ると、それは「周りのものを取り込んで変化させる存在」と言える。

たとえば、太陽系には金星、地球、火星と似たような星があるけれど、金星や火星には「命」も「海」もないので、誕生した時からほとんど変化のない「死の星」だ。だから、たとえば大気でも、誕生した時のまま、現在でも95%程度が二酸化炭素だ。

ところが地球だけは「命」が誕生したので、大気中のCO2を食べて行ったので、今や地球の大気の中のCO2はわずか0.04%となってしまった。

つまり、生命というのはCO2を食べて生きるものであり、CO2が無くなると地球上の生物はすべて絶滅する。餓死する。

ところが人間は自分がCO2を食べているという意識はない。人間は生物が誕生してから37億年後に出てきたので、その進化の過程で「サボれるものは、できるだけサボる」ということをしている。ここでは、そのうち2つだけを取り上げて考えてみたいと思う。

第一は「ビタミンC」だ。よく女性の方が「果物を食べてビタミンCを採らないと」と言っておられる。また「脂肪を食べるとコレステロールが増える」とも言われる。でも、生物というのはもともと「自分に必要なものは自分で作る」ための工場を体内に持っているので、「食べなければならない」というのはなにかの欠陥があるからだ。

ビタミンCの場合、私たちがサルだったころ、木の上にいて果物ばかり食べていたので、ビタミンCが豊富で自分で作る必要がなくなった。

そこで4000万年から6000万年前ごろ、人間はビタミンCの体内合成能力を失い、果物を食べなければならなくなった。つまりリストラされたのだ。このように生物は進化の過程でサボることができるようになると、その分だけリストラして身軽になる。

その一つが「CO2を食べて栄養分(炭素)を作る能力」で、これは植物を食べれば良いので、人間の場合は「イネ」を育ててイネにCO2を食べてもらい、イネがCO2から澱粉を作ってくれるので(コメ粒)、それを食べることでCO2を直接、食べることができなくなった。

このような生物のしくみを知らない人がおそらく、地球温暖化という架空の物語を作り出し、さらにCO2を悪者にしたにそういない。自然界は生半可な知識で人間が考えられるほど簡単なものではなく、人間の頭で考えたことはほぼ間違っている。

私たちに今、必要なこと、環境などを考えるときに重要なことは、謙虚な気持ちだろう。「節約したら環境を守ることができる」などはなんの意味もない。人間だけが神から作られたとする野蛮なヨーロッパ文化の影響など受けずに、日本人としてイネに感謝し、CO2を祭り、自然の中で生きていきたいと思う。

(平成26126日)