テニスはラインギリギリのきわどいボールを打てば打つほど勝つというゲームである。一流選手はラインの少し内側を狙って鋭いショットを放つ。だから度々、判定で揉める。
判定の時に、自分に有利な判定に文句をつけている選手を見たことがない。いつも、自分に不利な判定だけに文句をつけている。スポーツはフェアーを第一とするので、自分に有利不利に関係なく、判定そのものに異議を唱えるならわかるが、自分に有利になるように異議を唱えるならもともとスポーツをやめた方が良い。
なぜ、スポーツでも自分に有利になるようにクレームを付け、それも相手と見方が変わるのだろうか? それは人間が「自分がやったことは、他人が見るより自分に有利にみようとする」という本能を持っているからだ。
会社で不満を持っている人がいる。大抵は、「あんなにしっかりやったのに、なぜ評価されないんだ」ということが多く、「人より自分が損をしている」と怒っている。そんなこともわからないようでは成果も上がらないだろう。常に自分は損をしていると感じるのが普通で、それで公平だということだ。
それが心の底からわかれば不満のほぼ6割程度は消える。

(平成26123日)