誰が言ったか不明確だが、マスコミでは「究極のエコカー」と囃している燃料電池自動車は、「水素と酸素を結合させてエネルギーを得るので、排気ガスもなにも出さない理想的な自動車」と説明されている。
最初から「科学のウソ」なのだが、地球上にある水素というのは「石油や石炭のように炭素と結合しているもの」と「水素と酸素が結合して水になっているもの」の2つがほとんどだ。石油、石炭から水素を取り出すためには、膨大な量の排気ガス、二酸化炭素がでて、現在の技術では、1単位のエネルギーを持つ水素を取り出すのに、最低でもその3倍のエネルギーを投入しなければならない。
第二の水素資源である「水」のなかに水素は「もっとも安定した状態」にあるので、これから水素を取り出すのは、やはり「得られる水素のエネルギーの3倍以上のエネルギーの投入が必要」ということで、現代の社会では「自ら水素を取り出し、それをエネルギー源として使用できるから、無限に得られる」ということを言うと、「犯罪=永久機関が存在するというウソをいって人を誑かす」ということになる。
もともと地球が出来た時、地上に水が残ったのはかなり際どく、温度が高かくオゾン層がなかった当時は、蒸発していた(100℃以上だった)水は太陽の強い光と放射線で分解し、水が分解して出来た水素は地球が小さい(重力が小さい)ので宇宙へ飛んでいってしまった。
ところが、水がなくなる前に冷えたので、いま、水が残っている。つまり「水素」という形では地上では残らない。だから「水素」を自動車に詰めるのは、石油などを分解して作るか、それとも原発で電気を起こしてそれで水を分解するというエネルギーとしては効率の悪い、従って環境を汚染する工場をかなり作る必要がある。
自分が自動車を走らせる時に、自分だけは排気ガスを出していなければ良いという理屈だ。それならテレビは「何も出さない」からつけっぱなしにしていても問題がないという理屈になる。たしかにテレビからは何も出ないが、テレビを映すためには遠くで作った電気をはるばる運んでくる必要がある。
でも、現在の日本社会は「仮装」だから、誰か(名前がわからない)が「究極のエコカー」というと国が「お金」を出す。一台720万円する燃料電池自動車を、マスコミに「究極のエコカー」と言わせ、一台200万円のお金(補助金と言って、国民の了解は得ていない。官僚と会社で決める)を出す。
やがてそのお金は「赤字」になるから、「政府が国民に借金して自動車会社に渡した」のに、「国が借金した」と主語が違い、誰の了解をとったのかを言わずに、それが「子孫にツケを回す」ということになり、「消費税を上げなければ財政破綻する」という。
子供思いの日本人はそれは大変だということで、誰が借金したか?などは関心がなく、消費税を上げないと日本国は大変なことになると錯覚する。借金をしたのは返すあてが消費税の増税しかないことを知っていて、自動車会社にお金を上げた(目的は天下り)政府と官僚だから、国民に借金を返すのは、決めた官僚ともらった自動車会社である。
騙されてはいけない。
(平成26年11月15日)