「201411121352.mp3」をダウンロード


原発事故から足掛け4年になろうとしていますが、未だに海の汚染や億ベクレル単位の漏洩などがあり、特に食事や衣服等の汚染を心配しているお母さんに現状と基礎的な知識を整理してみました。メールでも個別にご返事はしていますが、多いご質問を考える原則を書きました。

まず第一に原則を知っておくことです。現在の日本、特に男性は「二枚舌」の人が多く、困ったものです。事故が起こる前には「11ミリを守れ」と言っていた人が、事故が起こると「そんな制限はどこにあるの?」と言ったり、柏崎刈羽原発事故の時には、「3億ベクレルなどとんでもない」と報道した朝日新聞などが、福島原発事故のあとは「100京ベクレルなど大したことはない」(100京ベクレルは3億ベクレルの30万倍)という記事を出したりしています。

第一原則: 原子力の専門家、マスコミ、経済人などは二枚舌である。

第二には、福島原発で漏れた100京ベクレルという量は広島原爆の200発分にあたるので、「広島より200倍厳しい」ということです。これも「広島でも大したことはなかったのだから」と二枚舌を使う人がいるので注意が必要です。

このぐらい多い放射性物質が漏れた例はチェルノブイリ以来で、どういう影響が及ぶかまだ人間の科学では不明なところが多いのです。

第三に、健康障害が起こらないようにお子さんに注意してあげることで、病気になってから「あの人がこう言っていたから」では親の責任は果たせないと思います。私たちの科学、医学の知識はまだまだ少ないと思ってください。それでも限度がありますから、自然放射線やその他のバランスから言って、やはり法令の基準である11ミリを限度としてお子さんはすこし低めという感じと思います。

以上のことを理解されたうえで、さらに2つの原則があります。

1) 食材から体に入る汚染は「足し算」です。
たとえば、食卓にご飯、お肉、野菜、調味料があり、それをお子さんが食べたとします。そのうち、調味料が汚染されていて200ベクレル、その他は汚染されていないとします。
体にはいる汚染は「足し算」ですから、食事の量として、ご飯とお肉が同じぐらいの重さ(40グラム)、野菜がその半分(20グラム)、調味料は10分の1ぐらい(1グラム)の量を食べたとすると、全体の重さが100グラムで、そのうち1グラムが200ベクレルとしますと、全体の食事の汚染は、
0
00200×1÷100)=2ベクレル
となります。
お子さんの被曝限度を40ベクレルとしますと、その20分の1ですから、心配はいらないということになります。

2) 体に入った放射性物質は3ヶ月ぐらいで排出されます(平均化される)
体に入った放射性物質は、そのまま消化器を通り過ぎていくもの、筋肉や骨に取り込まれるものなどがありますが、平均としては3ヶ月ほど体内にとどまります。
そこで、ある時に危険なものを摂ったとしても生活全体に注意をしていれば、平均値が下がります。つまり、お子さんがあるときに旅行か何かで福島の近くに言って汚染されたものを食べても、普段に日にお母さんが注意をされていれば、「平均」になります。たとえば3ヶ月で3日だけ汚染したものを食べて、それが100ベクレルだったとしても、3ヶ月で約30分の1になりますから、3ベクレルということになり、これも健康に影響を及ぼしません。

つまり、お子さんがばい菌を体のなかに取り込むと、ばい菌が増えるので病気になりますが、放射性物質の場合、量は多いのですが、「足し算」と「平均化」されるので、「普段にお米などに注意していれば、薄まって安全になる」ということがあります。

旅行をされたり、給食の食材が怪しかったとしても、お母さんが多くの食事に注意をされていることが大切で、それがお子さんの健康を守ることになると思います。

これは衣服の汚れもそうで、あるときに雨にあったり、粉塵をかぶっても普段の生活で注意をされていればまず大丈夫です。今でも魚の汚染や土壌も汚れていますので、やはり万全を期して注意を怠らないことが大切です。

被爆の病気は「これをしたら病気になる」というものではなく、「確率的・・・注意している度合いによって病気になる」ということなので、それも頭に入れておいていただくと良いと思います。

(平成261112日)