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生野菜も食べなれるとなんとか食べることができるけれど、なんで生野菜が体に良いのか、わたしは理解することができない。生野菜を食べることができるようになったのは、「農薬と化学肥料」が使われるようになってからで、日本では40年ほど前からだ。それまでに生野菜を食べたらたちまち回虫などに苦しむことになった。

中華料理が火を通すことは多くの人が知っているが、医食同源を強調する文化で生を食べるということはかなり危険だと認識されていた。人間は細菌、ウィルス、小さな虫などと一緒に暮らしているが、それが口の中に入ると問題が起きる。それに加えて現在では、農薬、化学肥料、着色剤、放射性セシウムなどがある。できるだけ、避けたいものだ。

それでは「なぜ、野菜は生でなければならないのか?」ということになる。少なくとも40年より昔の人は生野菜を食べずに生きていたし、戦争や結核でなくなる人もいたので平均的な寿命は短かったが、長寿の人もいくらでもおられた。だから、まずは生野菜が人間にとって必須のものではないことがわかる。

ところで「生野菜を食べなければならない理由」として、水溶性ビタミンと熱に弱いビタミンが登場する。水溶性ビタミンはビタミンBCで、熱に弱いとされる(ウソ)ビタミンはビタミンCだ。わたしは化学物質の熱分解を長く研究してきたが、ビタミンの構造を見ると、これがちょっとの水で溶けたり、熱でやられる感じがしない。どうせ野菜は水洗いをしなければならないし、生野菜は特に農薬などを心配してよく洗う。

また味噌汁に入れたり、炒め物にするなら仮に水に溶けても食べるものの中に入っている。栄養学のデータを見てみると、調理で失われることはあってもせいぜい2割ぐらいで、大半は残っている。まして生野菜は食べられる野菜の種類が限定され、農薬の危険があり、さらにドレッシングをかけるので健康にはそれほど良くないと思う。

また、私たち人間はビタミンCの合成能力を失った生物だが、それは普通に食べていると適当に野菜も果物も食べるし、尿酸がビタミンCの代わりもできるので、合成能力を失ったとも言える。またもちろんビタミンの摂り過ぎは障害が起きる。

「生野菜が健康に良い」と錯覚して一所懸命、食べている若い女性を見ると、噂に引きずられて可愛そうだと思う。野菜は食べれば食べる方が良いということもなく、適切な量をとるというのが大切なのは言うまでもなく、その量は今、言われている量よりかなり少ないと考えられる。

(平成26113日)