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15年間の私は、この日本をどのような形で子供たちに引き継ぐことができるか?ということを考えてきました。他人には奇妙に思われたりしたと思いますが、その一つの答えが、このブログに連載した「普通の歴史」でした。

日本人として近代日本の歩みを事実そのままに理解することは、未来を考える上で第一の基礎になると思ったからです。もともと歴史は好きで、高等学校から大学に進学するときには歴史に進むつもりでしたが、いろいろな事情があって物理の方面になってしまいました。

でも、歴史好きというのは変わらず、私の教科書「世界史体系」約20巻をもとにして、さまざまな書物を読み、多くの歴史学者とお話をし、左にも右にも傾かない「普通」の歴史をまとめました。

次の整理が「経済、金融」でした。もともと日本国憲法にも定められている通り、「勤労」はこの社会の基礎になるもので、「額に汗して働き、慎ましい生活を送り、幸福になる」というのが基本と感じられるからです。ところが、経済、金融のことを知るにつけ、「現在の日本の国民はお金のシステムに怯えている」ことがわかってきたのです。

本来は金融も経済も人間社会を幸福にするものですから、国民がお金のシステムに怯えるというのは本末転倒なのですが、事実、狂乱物価、バブル崩壊、リーマンショック、為替変動による国単位の崩壊などを目の当たりにし、それでも経済や金融の学者が堂々としているのにとても違和感を覚えたものです。

ミスをしても堂々として悪びれないという文化はどこから来たのかわかりませんが、福島原発事故の原子力村の学者や、御嶽山の火山噴火の時の東大教授などもその典型的な人たちでした。

そこで、経済の専門の会社、東洋経済新社から「国債は買ってはいけない」という本を出し、私たちはなにが豊かなのか、額に汗して働けば安心して幸福な人生を送ることができるのか、そのためには何をする必要があるのか?ということをまとめてみました。

その経過から、年金がいかに欠点を持っているか、「高齢化社会」などというのは虚像であること、などが浮かび上がってきました。次第に興味は、医療や私の専門の資源、材料、環境などに移り、血圧、タバコ、コレステロール、肥満、老化、そしてリサイクル、ダイオキシン、温暖化、気象の変化、持続性社会、生物多様性、そして「トキはなぜ絶滅してはいけないのか」という疑問へと進んできました。

最近ではその大もととしての民主主義の現実、軍事関係、男女の関係、家族の幸福、会社生活、そして人間そのものへと進んでいます。でも、その中で私がもっとも問題だと思うことが、ここでまとめをしてみた「仮装社会」ということです。いったい,私の頭の中にある仮装社会とはどういうものか、すこし描画してみたいと思います。

私たちが今、苦しんでいること、なんとなく不満を感じていること、SONYやパナソニック、それに新日鉄などの大会社で次々と起こる事故や経営破綻、異常な程にバッシングに熱心な社会、広島の土砂崩れと御嶽山の噴火、そして居心地のわるい毎日・・・それらは実は現代の日本社会が仮装社会であり、それが私たちを苦しめているのではないかと思い始めたからです。

原発もそうで、最近では報道もすっかりなくなり、かといって食材の汚染などが関係なくなったわけではないのです。どうしたらよいのか、わからない社会とも言えます。

少し連続して考えてみたいと思います。そしてできれば改善の方向まで行くことができればと希望しています。

(平成26106日)