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まず、最近50年ほどの日本の豪雨を中心に整理をしてみました。一つ一つの調査は十分ではありませんが、全体を見渡すことができます。この表を見ると、一日(24時間)に1000ミリを超えるような豪雨は15年に一度ぐらい、一時間に150ミリを超えるのもそのぐらいです。次に、一日に500ミリ、一時間に80ミリぐらいの大雨は毎年という感じです。

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そして雨の降る地域は、九州、中国地方の山口、島根、広島、それに高知、和歌山、愛知、静岡など太平洋に面したところ、さらには福井、新潟などです。高気圧が東にあったり、低気圧が西にある時で東シナ海や太平洋から湿った風が吹く場所です。つまり、「九州、中国地方の広島まで」の地域は東シナ海からの風で、それも岡山までは達しにくいということがわかります。

太平洋の場合は、高知、和歌山、愛知、静岡など直接、太平洋に面している場所は大雨が降りますが、ちょっと内陸になるとかなり少なくなります。たとえば兵庫県の加古川などは西からも南からも少し海に遠いので、希にしか災害は起こりません。

ところで、考えるのがむつかしいのは、「自分の家は大丈夫か」ということです。まずは単純に「日本の平均的に言えば、何年おきにどのぐらいの水害にあうか?」と言いますと、まず水害の領域は広くても一つの県ですが、そのうち3分の1ぐらいが被害を受けます。そうすると47都道府県ですから141区分することになり、それが15年に1度の被害(一日1000ミリ、1時間150ミリ)を受ける確率は、「2000年に一度」ということになります。

また1年に一度ぐらいの気象(一日500ミリ、一時間80ミリ)では「140年に一度」ぐらいで経験することになります。つまり世界の基準では毎年、起こるような気象でも、日本の気象庁の決め方では、毎年、「一生に一度もない異常な気象」ということになります。つまり、雨は部分的にしか降らないので、「毎年起こる気象」が「一生に一度も起こらない」という奇妙なことになるのです。

また、一つ注意が必要なのは、大雨ごとに「一月に降る雨が数時間で降った」と言いますが、日本の平均雨量は年間1700ミリなので、一月に直すと140ミリです。だから、3時間で140ミリ、つまり1時間50ミリ以下の雨が降っても、テレビでアナウンサーが「一月に降る雨が3時間で降ったのです。信じられません!」と絶叫していますが、そんなことは毎年、普通に起こることなのです。

もともと、「雨が降っている時間」というのは、全体の時間の10分の1ですから、一ヶ月30日のうち、平均して3日しか雨は降っていないのです。シトシトと降る雨は雨量はほとんどないので、「ザッーと降る雨」だけが雨量に関係し、その時間は1ヶ月でもそれほどないことを「人を脅かそうと思って大げさにいう」ということだけなのです。

そこで考えなければなりません。確かに水害は怖いのですが、2000年に一度の可能性のあることにどのぐらい注意するかということになります。水害が防ぎにくいのは実はここにあるのです。次回は「2000年に一度」にどう備えるかを考えたいと思います。

(平成26921日)