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ある読者の方から、光合成反応は次のようなものだから、光合成で二酸化炭素が減ると思うのは当然だというご指摘があり、「ああ、そうか。そこを誤解しているのか!」とわかりましたので、ショートショートでちょっと追記しました。

光合成

二酸化炭素 + 水 → 植物の成長 + 酸素

二酸化炭素を水で「植物の成長」と書いてあるらしいのですが、正しくは「植物の体とエネルギ」とするのが正しいでしょう。植物は、二酸化炭素を原料にして(水は豊富にあるので、特別な場合を除いて書かなくても良い)自分の体と生きていくためのエネルギーを作ります。

つまり、植物は二酸化炭素を「還元」して「炭素」を得て、それを体にするものと、すぐ酸素と再結合(逆反応)させてエネルギーを得るのと二つ行います。体にした炭素は体が減らない限り死ぬまで炭素のままですが、やがて死ぬと微生物などが空気中の酸素を使ってエネルギーを得る(腐敗)ので、結局、右へ行く反応と、左へ戻る反応がほぼ同じだけ起こるので、植物は「死なない植物がいれば別ですが」、ほとんど二酸化炭素に戻すことになります。

一応、まず第一段階でこのぐらいまで頭を整理したあと、「それでは、空気中に95%もあった二酸化炭素がなぜ0.04%まで減ったの?」ということを考えます。人間は一つのことは考えられても、なかなか複数のことを一度に整理するのは難しいので、まずは逆反応ですべてが戻ると考え、それではおかしいことは第二段階で検討します。

生物は37億年前にできて、ずっと二酸化炭素を使い続けてきました。だから単純計算ですと、95%の二酸化炭素が37億年でほぼゼロ(0.04)になったのですから、1年で(95÷37億年)の計算をすると、2.6×10-8/年づつ減少したことがわかります(これが地下に埋まっている石油、石炭、天然ガスになりました)。

今、温暖化で問題になっているのは、「100年で0.01%も増える」と言っていますから、計算した数字を100年あたりと0.01%の何倍という換算をしますと、「地球上の植物が100年間に吸収する二酸化炭素は人間が増やす0.01%の1万分の1」ということがわかり「焼け石に水」で、森林が二酸化炭素を吸収するというのは、ほぼ「なし」と言ってよいのです。

ところで「科学は厳密」と言いますが、「厳密」とは「本当に厳密」です。この場合、温暖化に影響のあるものとして森林の吸収量を表現するときには、「厳密な表現」でも「森林は二酸化炭素を吸収しない」と言った方が良いのです。現実の科学の世界を1万分の1のものまで記述すると、自然を解明できないからです。自然はすべて複雑な内容を含んでいますから、自然現象や事実のうち「今、対象としているものに実質的に影響のあるもの」を整理し、他は「影響なし」としてしまった良いからです。

従って、「地球温暖化を解析するときには、森林は二酸化炭素を吸収しないとできる」という表現になりますが、このようなことを一万種類(森林、牛のゲップ・・・)などを羅列するのは科学的にも正しくありません。

ところで、私の活動の多くが「事実をそのまま説明して、ご自分で考えてもらう」ということなので、普通は「事実が確定していれば、その事実を」、「事実が確定していなければ、両論併記」という形をとっています。

これが私とNHKが違うところで、NHKは「国民にやさしく話す」ことが第一なので、「事実と異なってもやさしく話す」ということで、たとえば政府が「温暖化対策」を進めていたら「温暖化している、温暖化は怖い」ということだけ放送し、「地球が出来た時には95%が二酸化炭素だったのだから、過去の気温を見ると二酸化炭素が多くても気温はそれほど上がらない」という「事実」は説明しません。

この例でも同じで、光合成が逆反応を伴って二酸化炭素に戻ることは中学生程度の知識ですから、専門家は全員が知っているのですが、NHKと一緒に「研究費を貰えればどんなウソでもいう」ということで統一されています。

ところで、「頭を使う」という点では、最初の式(右へ行く)をよく見ると、もしこれだけなら今までの植物はすべて「成長」しただけで地球上にあるはずですが、数億年前の植物などいないし、稲や野菜などは一年も持たずになくなってしまいます。だから、もともとこの式だけではおかしいな?と思うのが「頭を巡らす」ということでもあります。

(平成26916日)