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201493日、新日鉄住金名古屋製鉄所で爆発事故が起こり、15人の従業員などが負傷した。重傷者は4名。この事故が発生したのは午後030分だったが、もくもくと黒い煙を上げて燃える製鉄所からはほとんどなんの情報も発せず、地元は不安の数時間を過ごした。

そして午後5時になって製鉄所の記者会見があったが、「すみません」、「原因は不明です」、「爆発ではなく異常燃焼事故です」という守備的な言い訳だけで、「地元民は退避しなければならないのか」、「ガスは有毒なのか(原理的には一酸化炭素が入っているので猛毒)」、「今後、大爆発に至らないのか」など地元の人がどういう行動を取るかの参考になることは一切、話がでなかった。

事故の原因とか再発防止ということが大切であることも確かだし、人間はどうしても「原因」を知りたいという欲求があることもわかる。でも、事故が起こったときにもっとも大切なことは近くの人が避難しなければならないのか、そのままいても良いのか、大事故がまた起こるのかということだ。

福島原発事故でも、地震から3時間を経たところで、「冷却系の回復が難しい」ということがわかり、1日以内に爆発が起こる可能性が高くなった。また1号機の爆発のあと、続いて他の原発が爆発する可能性が高かった。それでも東電は本社で検討を続けるだけだった。

今日(201494日)、中部電力は浜岡原発の事故の訓練をしていたが、住民への通報などのことは報道されていなかった。人の健康、人命を尊重することが工業を業とするもののもっとも大切なことであり、そのために事故の時には地元住民に被害が起こらないようにすることが最優先である。

そこで、事故が起こっても「どうしたら組織を守るか」などの議論が優先するのを防ぐために、「事故実況放送」を提案したい。事故が起こったら直ちに地元放送局の割り当てされたアナウンサーが工場に入り、工場側から一人の解説者を出して、実況放送をする。地上波テレビで配信できればそれがベストだが、地上波が無理なら、ラジオ、ネットなど次善の手段で地元住民、自治体が事故の事実を知るようにする。

私は若い頃、石油化学コンビナートで勤務していたが、上司は常に「地元が運転を認めてくれたので、私たちは運転ができる。だから情報は地元優先」と教えてくれた。それから40年。今の産業は地元に対する考えが後退しているように見える。

(平成2694日)