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私が若い頃、用語の使い方がわからない時には新聞記者が使っている使い方を学んだものです。当時、まだネットなどがなかったし、身の回りにある「国語辞典」には新しい言葉や用法が書いていなかったので、新聞記者が正しかったのです。

 

ところが最近の新聞記者は、「正しい用語」ではなく、「相手が使っている用語」とか、「日本人が受け入れやすい用法」を使うので、メディアの報道があいまいになり、それが原因してさらに間違いが増える傾向にあります。つまり今の新聞は用語を間違いながら文章を作っているので、文章を読んでも到底、正しい意味は伝わりません。

 

そこで、このシリーズでは簡単に現在、間違って使われている用語の意味を正しく説明したいと思います。第一回目はあまりにひどい使い方がされている「放射線防護服」です。

 

福島原発の敷地に入る人は「放射線防護服」と呼ばれるものを着用しています。そしてそれがテレビに大きく映ります。ペラペラのビニールのような服にヘルメット、それにマスクといういでたちです。

 

「放射線防護服で放射線を防護できるのですか?」と私はよく聞かれますが、「いえ、防護できません」と答えます。これほどひどい社会はないと思います。NHKのような公共放送が「防護服」と言っているのに、「防護できない」と答えるのですから。

 

「それでは、なぜ防護服と言っているのですか」と聞かれるので、「この頃のテレビや新聞は「相手が言った」という用語を使っているのです。自分たちで正しい用語を使おうということより、わかりやすいとかトラブルいなりにくいなどを優先しているからです」と答えます。

 

「放射線防護服」と呼ばれているものは、「上っ張り」です。つまり、放射線を持つほこりの多いところに行くと、背広にほこりがつくので、それを防止するだけです。東電は「汚染防護服」と呼んでいました。「汚染」もあまり適当ではありませんが、それでもある意味はありました。でも、今ではそれも省略されています。

 

本当の「放射線防護服」は鉛でできていて、アメリカ軍などが放射性物質を除くときなどに着用していますが、ものすごく重く、訓練しないと動けません。放射線を防護するには、第一に「重さ」なので、防護服はともかく重くなるのです。

 

「防護服」と言いながら「防護できません」というような状態をやめるべきで、「上っ張り」とでも言った方が良いと思います。

 

(平成2682日)