最近、日本での異常気象が増えたのではないかという感じの一つに、これまで日本ではあまり経験の無い竜巻が報道されることもある。これについての統計は、次の通りで、まだ歴史が浅く、傾向はよくわからない。つまり報道が増えたからか、竜巻の数が増えたのか判らない。
竜巻の観測基準が平成になって2回変わっているので、比較ができないが、全体としてあまり変わらないが、最近、少し多いような感じがするという程度だ。この竜巻については日本より先輩のアメリカでは統計が多いが、1964年からの統計では、1975年ほどまでは竜巻が多かったが、1975年頃から急に減少して、今はかつて1年に100件ぐらいの都市があったが、60件がせいぜいになっている。
このデータについては地球温暖化で温度が上がっているのに、竜巻が減っていることで、議論になるところである。日本でも、地球温暖化の問題と異常気象は関係があるとしている考えと、ほとんど関係がないという意見がある。データから見ると温暖化が進むと台風が減り、竜巻が増えるという感じであり、コンピュータの計算とは逆の関係になっている。
竜巻のような現象は現象として人の注目を浴びることから、テレビカメラの小型化などで、テレビの画面を作る機動性が上がったり、または個人が携帯電話などでも容易に動画がとれるようになり、またユーチューブのように個人で動画をアップできる時代になり、これまでほとんど竜巻の映像を見たことがない人も映像に接する機会が増えたともいえる。
(追記)
最近、竜巻を調べていたら、別のデータがでてきました(下図)。この調査によると1971年から20世紀末までの間はあまり竜巻は変化がないか、むしろやや減り気味であることがわかります。
気象庁から政治色のない正確で学問的なデータが出て、メディアが放送するときにデータをしっかり見て、「国民は理解力が少ないから脅す方が良い」と考えずに視聴者を信じて報道してほしいものです。
(平成26年7月26日)