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2014728日の朝日新聞朝刊によると、関西電力はこれまで盆暮れにそれぞれ1000万円ずつ、時の首相に献金してきたという。証言した人は関西電力元副社長内藤さん(91歳)である。田中、三木、福田、大平、鈴木、中曽根、竹下の歴代総理だ。

 

これらの献金のうち、初期の頃の献金は法律には違反していないが、献金を開始してから2年目に「電気料金で政治家に献金するのはおかしい」との批判を受けて、政治献金を中止すると宣言した。それはお客さん(国民)に対する裏切りだった。

 

お金を渡したのは、首相ばかりではなく政界にまんべんなく数億円を渡している。すべて私たちの払った電気代である。日本の電気代がアメリカや韓国の2倍であることも納得できる。

 

しかし、奇妙なことがある。ほぼ同じことが中部電力でも行われていて、詳細は「まぐまぐ」にしっかりと書くつもりだ。問題は、この闇金が「正しいこと」、「日本のためになること」と電力の上層部が確信しているということだ。たとえば関西電力で政府の工作資金を担当していた副社長は、次のように言っている。

 

「関電には芦原さんが直接、総理大臣や党の実力者に配る資金があった。トップシークレットだった」、「(政治資金を出すなということに対して)そんなことできるだけがない。政治家を敵に回したら何も動かない」、「(献金の目的)一に電力の安泰、二に国家の繁栄」、「天下国家の為に渡すカネで、具体的な目的があったわけではない。許認可権を握られている電力会社にとって権力に対する一つの立ち居振舞だった」

 

このことから次のことがわかる。
1
)政治家にカネを渡すことは「シークレット」であり、世間にいうことができない悪いことであることを知っている、
2
)悪いことが日本の為になると思っている、
 
というまずは両価性(統合失調症の症状の一つ)の患者であることがわかる。

 

実は日本の指導者の多くの人が「両価性」であり、「無目的行動」をする。ここでいう「両価性」とは、同時に平気で正反対のことを言う精神疾患で、たとえばこの場合、「闇の献金は悪いことだから秘密だ」、「闇の献金は日本を繁栄させる」という正反対のことを、同時に真実と思っている状態だ。このようなことは原発にも多く、たとえば東京に住んでいる指導者に、「原発は安全ですか」と聞くと「安全だ」と言い、「それではなぜ新潟に原発を作っているのですか」と聞くと「危険だから」と答えるのと同じだ。

 

「無目的行動」というのは、自らが一所懸命、行動している意味を聞くと、答らえないという特徴だ。この場合は、シークレットに政治家に闇カネを渡すことに一所懸命なのだが、その目的を聞かれると、ぼんやりとしか考えていない。つまり、自分の立身出世、お金儲けの為に、両価性と無目的行動が生まれる。

 

このような人は「国立大学―大企業―幹部社員や役員」に多い。というか、現在の日本では「両価性であり、無目的行動に汗を流すことができる」人が出世し、指導層に上ることができるからだ。

 

「国民から徴収する電気代を政治家の闇献金に使うことはできない」という声に対して、正面から対抗することができない。でも心の中は「この世は矛盾だらけだから、そんなこと言ってどうする」と思っている。そう思えば、そう言えばよいが、言わない。その理由は、「俺は偉いが、客(国民)はバカだ。説明しても理解されない」と思っているからだ。

 

つまり、現在の日本で「アウトロー」が存在しないと日本は発展しないと心の底から信じている。社会にアウトローがいるのは私たちの心の中にアウトローがあるから、それは自然発生だが、それは社会の底辺にあるものであり、指導層には不要なものだ。それがまだわかっていない。わからないのは頭が悪いより、覚悟がない、誠意がないという人間的な能力に欠陥があるからだ。

 

せっかく、朝日新聞がここまで明らかにしてくれた。これからは私たちが、NHKの不払い、電力の自由化に力を尽くすことだろう。

 

(平成26728日)