「tanabata20140714622.mp3」をダウンロード
太陽暦と太陰暦、それに太陽太陰暦ができて久しいのですが、まだ「暦」は未完成のように思います。植物は太陽活動に左右されるから太陽暦があっていますが、人間をふくめて動物は月の影響が大きいので太陰暦が体には合います。多くの動物でも産卵など月齢と関係がありますし、女性の生理がその一つで「月経」というように月の満ち引きで体の具合が変わります。
でも、現在の日本で一般的に使っている「暦」は、そのままなじめるものではありません。その一番、極端なものが七夕ですが、今は「新暦の7月7日」が七夕です。つまり、梅雨の真っ盛りに天の川をみろということになりますが、それは無理というものです。(新暦と旧暦の解釈は多くありますが、ここでは多くの日本人が受け取っている新暦と旧暦ということで整理をしています)
今年の七夕は8月2日。その頃には日本の空も晴れ渡って、織姫と彦星もデートできるというものです。新暦の7月7日にこだわっていると可哀想に、毎年、デートがお預けになります。
ところで七夕はお盆ともつながった行事ですし、その他にも日本文化にとって大切な日もあります。たとえば端午の節句(旧暦5月5日、新暦6月2日(2014年))、中秋の名月(新暦8月、旧暦9月8日)などがそれで、本来の旧暦で節句をお祝いしないと季節がずれてなにがなんだかわからなくなります。
その意味では、昔の日本のしきたりにもこだわらず、かといって日本の風土も意識して、日本文化にある「自然との共存」を新暦でも定めることは大切なことと思います。何かがあると「旧暦」とか「新暦」が問題になりますが、そんなことが問題にならないような優れた暦を考案したいものです。
今、日本は自然と関係なく生活している東京の人の感覚でテレビも新聞もできていて、そこで「自然との共存」などといっていますから、温暖化とかリサイクルなどの見当はずれの政策が進み、一方では治水やがけ崩れなどの対策が遅れて地方では自然災害が増えています。
また、「自然との共存」というと、トキのように中国からもってきたトキを人工的に飼育して野に放つなどの「自然とは相いれない」ことが進められ、東京で「ゲンゴロウ」が絶滅してもだれも見向きをしないという状態です。
人間は自然とともに生きて初めて正常な精神状態や体を保つことできるものです。新暦の7月7日に浴衣を着ている美しい女性を見るにつれ、架空の世界へ連れていかれる感じがしました。
(平成26年7月14日)