文科省が「STAP事件が起こったことを契機に研究不正を減らす政策」を始めることになった。その内容はネットからの指摘に注意すること、研究不正を防ぐために若手の教育などを始めることなどであるが、もっとも二つの重要なことが抜けている。 まず第一に、このブログでも何回も書いたが、小保方さんの論文(笹井さん、若山さんも同じ責任著者)は80枚の写真と4本のビデオと文章出できていて、そのうち写真3枚が貼り違えたというもので、理研の内規には触れたかも知れないが(科学論文としては問題なし。ネイチャーも通っている)、写真を正しいものに代えても結論が変わらないのだから、意図的な不正ではない。 「不正」と結論した理研の調査委員会の方が「不正」である。 しかし、なにか大きなものが背後にあるのだろう。理研は税金で研究している公的な機関だ。もし大きな不正があるなら、その不正を明らかにしてから、対策を練るべきだ。外人が「三大不正と言った」という言葉を引用した改革委員会の不見識もさることながら、日本の科学のトップが自分たちだけの情報で事件を左右し、かつ日本の将来を決める科学の政策を決めようとしている。 まずは、三大不正に相当する不正とはいったい何なのか、それを明らかにしなければならない。若気の至りで少しのミスをした人がいるから、日本の科学技術政策の一部を変更するというのはいかにも不明瞭である。 第二に、もともと研究は企業なら製品を、大学なら公知を目指してやるもので、その中に「国の研究費」という特殊な分野が入り込んできた。それをあたかも科学の研究の一般系として政策を決めるのは、日本の科学技術を破壊すると考えられる。 「国の税金を使い、その結果を自分の出世と研究費にする」という理研、東大、京大などの研究態度が今日の不正や「実験ノートが必要」と言うことを生んでいるのであり、多くの科学者は科学に純粋に献身している。 マスコミはこの問題を小保方さん個人や、理研内部の権力闘争としてではなく、日本の科学の正しい発展のために、見識ある報道と論評を求めたい。また学会のトップは学問の世界の指導者として立派な言動を求める。 科学は秘密や駆け引き、権力者だけの密談などを嫌うものである。 (平成26年6月29日)
1)今回の事件が「大きな不正事件」だったのか?
2)研究不正がなぜ起こるのか?
の2つが抜けている。学力も知力もある人たちが検討したのだから、おそらく「故意に重要な部分を除いた」と考えられる。報道もされないので、ここで考えてみたいと思う。