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さて、アメリカはワシントンから大陸を横断してサンフランシスコに進出し、さらにハワイ王国を侵略して太平洋の中心を制するようになります. それでもアメリカはまだ飽き足らずに、アラスカをロシアから購入し、スペインと戦ってフィリピンを侵略しました。このスペインとの戦いで、アメリカは2つの大きなねつ造と裏切りをします。
一つはフィリピン争奪戦の前にアメリカとスペインの間で起こったキューバの独立戦争では、アメリカの新聞が「スペイン警察がアメリカ夫人を裸にしている」といく完全なねつ造記事を出して、敵愾心をあおり、平行してアメリカ海軍はフィリピンのスペイン軍との戦いを準備するという作戦に出ます.
軍の方は、ちょうど、インディアンとの戦いが終わり、陸軍兵士が大幅に余ったため、軍は新しい戦争を望んでいたとされている時期でしたし、新聞は販売部数を増やそうとしていた時期にあたります. このようにマスコミと政府が連帯して国民をだまし、戦争や現在の地球温暖化などに進むことはままあったことです。
はたして翌年の1898年にはハバナ湾に停泊していた戦艦メイン号が突如、大爆発して乗員266人が死亡しました.この事件は少数のスペイン船員のサボりが原因としてアメリカ世論が沸騰し「リメンバー・メイン号」という恨みを返そう!の合い言葉になったのです.
インディアンとの戦いでは「リメンバー・アラモ砦」、スペインとの戦いでは「リメンバー・メイン号」、そして日本と戦うときには「リメンバー・パールハーバー」とまったく同じ手法が出てくるのがアメリカの戦争の特徴です.
ともかく、フィリピン沖海戦でアメリカが勝利を収めると、陸戦になり、フィリピン独立軍とアメリカ軍が協力して1万人程度のスペイン軍を追い出しました.さらに戦闘前には「フィリピン独立に力を貸す」というアメリカのウソが通り、フィリピン人は多くの犠牲者を出し、その結果は、支配者がスペインからアメリカに変わっただけになったのです.
よく日本国内で「日本軍は戦争で悪いことをした」と言う人が多いのですが、戦争とはウソにまみれたものです。日常生活の道徳は戦争では通じません。もともと相手を多く殺した方が勝ちというものですから、普通の道徳は通じないのです.
メイン号事件もおそらくは謀略で、フィリピン独立部隊をだましたのも、戦争の典型的な方法の一つです。 悪いことを比較するのも問題ですが、このような歴史的事実を知らずに、日本軍だけが聖人君子であれというのはやや無理な注文でと思うことがしばしばあります. 戦争をすると言うことを決めるときが問題で、戦争になってしまったら、ひどいことが行われるのです.
ついにアメリカは、太平洋のほとんど、ハワイ、フィリピン、サイパン、グアム、アラスカに侵略して、「西に行く」という要求を満足したのです。ちょうど、今から120年ほど前のことで、日本は、アメリカが広い太平洋を渡ってきて日本をおそうという危険には気がついていませんでした。
当面の敵、清(支那)との日清戦争、ロシアとの日露戦争で、やっと欧米列強の植民地になるのを防ぎ、有色人種ではほぼ唯一の「完全な独立国」になったころです。まさにちょうどその頃、アメリカはカリフォルニアを出航して、中央部でハワイ、南でグアム、フィリピン、そして北太平洋でアラスカと侵略して、いよいよ日本と中国に襲いかかるところでした。
アメリカはまず中国に入ります.1930年代にはそれまでイギリスや日本が中心となっていた中国との関係はアメリカが第一となり、対中投資のトップに躍り出ます.中国に対するアメリカの投資が増えると、鉄道などの保有も進み、必然的にそこに利権が生じます。それまで中国の利権は中央部がイギリス、南部がフランス、山東省がドイツ、そして北はロシア(ソ連)が得ていたのですが、日本のような有色人種がそこに入り込んだので、白人は「中国からの日本追いだし」にかかります.
それが第2次上海事変になり、ドイツが軍事顧問団、チェコが機関銃、そして空軍パイロットをロシアが分担し、兵力が10分の1ぐらいだった日本駐屯隊を攻めたのです. 満州国の建設と国際連盟の脱退も同じことでしたが、白人は「白人以外の有色人種の支配を許さない」という考え方を持っていましたが、それをそのまま踏襲したのが戦後の日本人(主として知識階級)だったのですから奇妙ですね.
西へ西へと進みたいアメリカと、断固として抵抗した日本、その間に戦争が起こることは時間の問題でした. 紛争は次第にエスカレートし、アメリカの巧みな戦略に日本は少しずつ巻き込まれていきます.この時、ソ連のコミンテルンという共産党の全世界組織(全世界の共産革命の指導組織)がかなりの役割を果たします.
日本軍のハワイ奇襲の直接的原因を作った「ハルノート」の作成者「ハリー・デクスター・ホワイト」(リトアニア出身)もコミンテルンのスパイだったことがわかっていますし、ルーズベルト大統領は何とかして日本から戦争を仕掛けさせ、「リメンバー***」で日本を壊滅させようとしていました。そのための外側からの圧力が「くず鉄の輸出禁止」と、決定的なことが「原油の禁輸」でした。
原油を輸入できないとなると、日本は7ヶ月で、車も航空機も戦艦も動かなくなるので、明治以来獲得してきた大陸の利権は一度に失います. 戦争が終わった後、「相手国に対する決定的な経済制裁は宣戦布告と同じ」と言われるようになります。ともあれ、作戦は成功して、日本は真珠湾攻撃を行い、計画通り「リメンバー・パールハーバー」と言うことになったのです.
日本を占領したアメリカは、さらに朝鮮戦争、ベトナム戦争とアジア大陸に進出します.ベトナム戦争の時には、トンキン湾でアメリカ海軍が襲撃されたという話をでっち上げ、「リメンバー・トンキンベイ」ということになります。今ではこの事件はアメリカの自作自演だったことがわかっています.
さらに、アメリカの西進は続き、9.11をきっかけとしてアフガニスタン、さらにイラクへと侵攻します.この時も「リメンバー・9.11」であり、また「大量破壊兵器がある」という謀略を立て、フセイン大統領を悪者にして国際世論を味方につけてイラクに攻め入ります.
アメリカの西進侵略には常に、「陰謀とリメンバー」がついているのですが、それにアメリカ人は良心の呵責を感いません。それほど西進の希望が強く、それは「神がアメリカ人に与えた任務である」と強く信じてきたからです。「どうせ、人間は神のことはわらかない。だから言っても無駄だからウソをついて憎しみをかき立て、一気につぶしてしまえ」ということです。
(平成26年6月21日)