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ウクライナの大統領選挙はどうやら親欧米派が勝ったと報道されている。まだ予測の段階だから最終結果がどうなるか判らないが、私は日本と比較してある感想を持っている.

 

ウクライナという国は昔「キエフ公国」があったところで、モスコーを中心とする今のロシアに比べて早く発達した地域だ。ところがモンゴルの襲撃で破壊され中心がモスコーに移ると、その後のキエフ付近の発展は途絶えた.その大きな原因が、西(ポーランドやドイツ)と東(ロシアなど)に挟まれて、国民が常に「西だ! 東だ!」と分裂を重ね、悪いことにいつも「負ける方」についてしまうという判断ミスもあった.

 

第一次世界大戦の時には、ドイツーオーストリア連合について敗戦の憂き目をみた。でも、発展を阻害してきたのは「意見の対立」であって、対立ではなく合意が先行すればウクライナの人の幸福度はかなり違っていただろう.

 

現在の日本、私は「対立を煽る時代」と思う.その原因の一つはマスコミが偏った情報しか流さないので、多くの人が冷静に物事を考えられないことにあるし、第二に明治維新と第二次世界大戦で敗北したショックがまだ尾を引いていて、日本文化と欧米流の考え方の間をさまよっている.

 

更に最近ではSTAP事件に見られるように、何か日本人がイライラして人をバッシングすることによって自分の不満を解消しようとしていること、政治家や東大教授がウソを続けて言い訳で逃げ切っていること、さらには教育で教えることすら決められないことなどが原因しているように感じられる.

 

今こそ、ウクライナの情勢を他山の石として、「合意に向かった情報提供と議論」を進めるべき時だ。合意に向かうと言うことは最終的な合意になるように情報を提供するのではなく、逆にありのままの情報を流し、それによって多くの人の判断力を高める方向に進むしかない.

 

世界には温暖化について学問的にも政治的にも二つの流れがあるのに、その一方だけを報道していたら、対立が生じる.

 

だから、まず「クールビズ」を止めることから始めよう.着る服ですら政府の言いなりでは合意は得られない.その次に「意見の相違は人間そのものの問題ではなく、経験、年齢、男女、利害、錯覚などに基づくものである」ということを認め合って、合意に向かって話を進めることが日本の子どもたちの未来を明るくするだろう.

 

(平成26526日)