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2007年9月12日(第一次安倍内閣・首相の退陣表明)以来、日本は異様な状態に突入し、現在もそれが続いています。2014年のSTAP事件、鼻血事件もその流れの中にありますが、いつまで続くのでしょう? 日本人なら立ち直ると思いますが、「何が起こっているのか」が分からないと立ち直りが遅くなるでしょう。

 

賛否両論はありますが、小泉内閣の時は日本は「新しい自民党」のもとでそれなりに未来に夢を持ち、社会にも活気があったのです。ところが期待されて登場した安倍首相が「まさか!」、1年過ぎたところで「腹痛」のために退陣しました。退陣に際して健康問題には一切触れず、理由にならない理由をたてて辞任し、すぐ入院となったのです。

 

この時から、「ウソをつかなければならない理由がなくてもウソをついてよい」ということが定着しました。安倍首相の退陣理由は後に「潰瘍性大腸炎」とされたのですが、首相を退陣する時に「内臓の病気が悪化して首相の激務に耐えられなくなった。ご理解をお願いしたい」と言えば済んだのです。

 

サラリーマンが何かの職を引き受けて、体の調子が悪くなって職務を全うできない時、「事実」を言わないということはまずありません。そんなことをしたらその人は信用を失い、その後の仕事で信用してくれる人はいなくなるからです。つまり、その人の言うことが信用できなければ、すべては終わりになるのが「普通の日本の社会」ですから、すでに「政治の中枢が普通の日本の社会の道徳」が守れないことを示したのです。

 

「首相は偉いからウソをついてよい」、「庶民にはわからないウソをつく理由がある」という考えは、日本がお殿様のいる封建主義でもなく、秘密が必要な軍事政権でもないので、適当ではないことは明らかです。

 

そして、安倍首相の退陣後に首相となった福田、麻生と続く自民党末期時代には、首相が1年ごとに交代するという奇妙な状態になりました。その時も「退陣理由」は非常識なもので、退陣理由を記者から追及された福田首相は「君たちにはわからない」というおよそ民主主義とは思えない答えをして質問を封殺しました。

 

2009年から始まった民主党政権の乱れは、すでに言う必要もないほど日本社会に打撃を与えました。第一に「選挙は意味がない」ということで、選挙で公約し、口に出したことはすべて反故になることが明らかになったのです。

 

日本社会に最も大きな打撃を与えたのが、鳩山首相の普天間基地に対する言動で「国外、少なくとも県外」という約束をして腰砕けになったこと、野田首相の「増税はしない。口で言ったことも絶対に守るが、紙に書いたことにはたがえない」と選挙前に演説していたのに、首相になると「増税に命を懸ける」という趣旨の発言をするのですから、これはもう、「何をか言わんや」と言う状態です。

 

民主党のように大きく公約を破れば選挙自体の意味が失われるが、それ以上に、民主党政権がやったことは「約束を守らなくても良い」、「やると言ってもやる気がなくても良い」ということだったから、国民に与えた衝撃は大きいものでした。

 

つまり日本は、「礼儀と信義を守る誠意ある国」から「ウソでも平気で、約束を破る国」になったのですが、その先頭を切ったのが、自民党と民主党、それに首相という日本の指導者たちということなので、これで社会が乱れないはずはありません。STAP論文の細かいミスなどと比較にもならないのです。

 

また、現在、NHKや朝日新聞をはじめとしたマスコミの報道が信用されなくなってきていますが、もともとマスコミの報道が「流れ、空気」であり、日本が軍事国家の時には戦争を賛美し、高度成長の時には贅沢を勧め、環境時代には節約を、というような報道を続けてきました。それに加えて指導層の乱れを受けて、さらにマスコミが事実報道しないという異常事態が続いています。

 

しかし、日本は私たち国民の国です。首相や政党がどんなに乱れていても、私たちは「ウソをつかず、約束を守る」社会を作ることはできます。それに加えてSTAP事件や鼻血のマンガでマスコミが「強いほう(理研、首長)」についたような惨めな社会をも追放したいと思います。

 

それには、とりあえずNHKの受信料を払わず、この際、新聞の購読を止めるか、信頼できる新聞に変えることはできます。情報源を慎重に選ぶことはこの社会では必要なことかもしれません。マスコミにいる人が嘘つきだということはないのですが、組織と時代が硬直化して、すでに自分の判断もできなくなってきているのです。

 

ただ、誠意ある政党が出現しないことはかなり苦痛です。また中央官庁や自治体もあまりに利権(予算など)が固定して、身動きが取れないようになっています。

 

戦争をしたときに「勝ったほうが良いか、負けたほうが良いか」というと、勝ったほうが良いに決まっていますが、第二次世界大戦で勝ったイギリス、フランスが没落し、負けたドイツ、日本が繁栄したのは、「既存組織の腐敗」であり、戦争で既存組織が残ったイギリスやフランスより、既存組織が戦争で破壊されたドイツや日本が成長したのです。

 

ということは「既存組織」をいかに「平和的に破壊するか」にポイントがあることが分かります。しかし、それは歴史的にも初めての試みなので、よほど覚悟を決め、作戦をねって始めないと成功しないとも思います。でも、一人一人が覚悟を決めれば、もとの日本に戻れると思います。

 

(平成26年5月23日)