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かつて「不眠症」といったけれど、最近では少し広い意味で「睡眠障害」と言う。一言で言えば「眠れないこと」だ。私も長い間、不眠症に苦しみ、なにしろ「夜が明けてこなければ眠たくない」という厄介な状態だった。次の日は午後から眠くて仕方がない。

 

でも、現代の大きな病気とも言われるほど睡眠に障害がある人がいるというのに、「睡眠とはなにか?」がまだ十分な解明されていないし、疑問点も多い。

 

私が「睡眠」に本格的に疑問を持ったのは、20年ほど前だった。そろそろいい年になって来たし、それまで不眠症で悩んできたので、なぜ自分が元気なのかが理解できなかった。人よりかなり睡眠時間が短いのは確かで、睡眠薬やお酒をかなり飲んできたので、その障害もでて不思議ではなかった。それなのになぜ自分は元気なのだ?!

 

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睡眠の研究を勉強してみると、多くの見解があったが、総じていえば、「睡眠時間は7時間、そのうち4時間半が体内疲労物質の処理、2時間半が頭の情報整理」という感じだった。データをさらに詳細にみると、一つの疑問が生じてきた。

 

日中の活動で体に蓄積された「疲労物質」は、「意識を失っても、意識があっても同じペースで処理してくれる」ということであり、「意識を失うのは頭の整理だから2時間半でよい」と考えられることに気が付いた。

 

つまり「睡眠」とは、「横になって基礎代謝に近い状態(安静)の状態を言うのか、それとも意識を失っている状態か」が分からないのだ。それでは実験してみようと思い、「横になる時間は7時間を確保」して、「そのうち、意識を失っている状態を2時間半以上取る」とした。そして「横になっているけれど、意識がある」と言うときにはできるだけ体の力を抜くこと、眠れないでイライラしたら体を動かしてしまうので、ラジオや録音を聴く(目は使わない)という方法を試みた。

 

これは大成功し、「眠れない恐怖」から完全に解き放たれ、睡眠薬もお酒も不要となった。つまり、「横になる」というのは何時でもできるからだ。

 

その後、さらに鍛錬をして、現在は、「7時間、横になっている」、「意識を失っている時間は必ず2時間半以上になる」、「意識があってイライラしたら、録音を聴くか、パソコンで面白い記事を見る」と言うことにしている。

 

横になった後、「意識あり」「意識なし」「意識あり」を繰り返すので、自分としては「意識のある時しか覚えていない」という原理原則にそって「全く眠れなかった」と勘違いする。これを防ぐために時々、小さい音を出す仕組みを作り、その音を何回、覚えているかを調べたら、「一晩中、眠れなかった」という感じでも、「半分は意識を失っている」ことがわかった。

 

ところでいまだに「7時間睡眠」=「4時間半の体の休養」と「2時間半以上の頭脳の整理」でよいのか、それとも=「7時間、意識を失っている状態」なのかは不明である。そして新方式(眠れないとイライラしたらパソコンを見る)が良いことかどうかも不明だ。やり始めてからまだ2年なので、決定的な不都合があるかもしれない。最近はパソコンではなくあまり面白くない本にしようかとも思っている。

 

ところで、学問的な睡眠の定義は「意識を失っているがすぐ覚醒する状態」だが、

 

「横になって安静にしている」と言うのが「睡眠」とどのような関係にあるかの研究はない。また日本で最も信頼できる名古屋大学の玉腰先生のご研究では、最初に示した7時間睡眠が良いという結果と、「男性は睡眠が短いほうが良く、女性でも5時間睡眠で良い」という下のグラフに示す結果を得ている。4時間半で良いのか、これも自分で人体実験をしてみたい。

 

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(平成26510日)