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「ストレス」という言葉がはじめて日本に登場してしばらくは、「ストレスとは何か」が主で、その頃、「どうしたらストレスが起きるのですか?」という質問がある時代だった。

 

その後、しばらくしてテレビなどで「ストレスの減らし方」が解説された時期があった。最近は、さらに先に進んで、「ストレスは仕方がないから、その解消法」と言う段階に進んできたように思う。「そんな小出しにしないで、最初から正確に指導して」と言う人もおられますが、医療も最初から進歩しているのではないので、仕方がありません。ただ、医師は患者に心配させないようにやや断定的に言われますが、それは親切心なので、これも仕方がありません。

 

ストレスの解消法も最初は「真面目なもの」が多かったが、さらに最近では「どうも我々は人間だ」と言うことに気が付き、より現実的な対策に変わりつつある。その一つが「お酒を飲んでいる人は、飲み続けたほうが寿命は長くなる」などである。

 

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このグラフは長い間産業医をしていた立派なお医者さんが整理したもので、お酒が好きな人が無理にやめると、かえって短命になることを示しています。一般的に「お酒は体に悪い」、「酒は百薬の長」と言われ、医師はよくお酒を飲みます。このことから、「適度なお酒は、禁止するほどの害はない。お酒におぼれてアルコール中毒にならなければ良い」と言う程度が正確でしょう。

 

ここでタバコも同じだと書きたいのですが、タバコのことを書くためには、私の体調の良い時でないと、反撃が厳しく、体力的に反撃に負けてしまうので、ここではお酒だけにしておきます。

 

また、お酒などの他にも先回にご紹介した先生が教えていただいた「住まいの中のストレス要因」はなかなか興味あるものです。

 

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「冷える住宅」、「臭う住宅」・・・アメリカは湿気が少ないので、北の部屋の方が賃料が高く、日本はカビが生えるから南が好まれます。
「玄関の靴」、「廊下の段ボール」、「未整理なもの」・・・それを見るたびに無意識に頭の神経伝達物質を消費すると思われます。
「不要なカレンダー」、「時計」、「置物」・・・それでなくてもゴチャゴチャした毎日の中で、さらにそれを複雑にするものです。

 

私はと言えば、比較的簡単で、「今日も朝」で、「昨日は晴れ」ですから、その日暮らしで、ストレスもその日暮らしで忘れるようにしています。これもすぐにはできませんが、毎日訓練しているとそのうち、昨日のことを忘れるようになります。

 

いずれにしても、健康を損ねるものには「集団性からもたらされる制限」、「自分で自分をあきらめる心」、「ストレスをため込む行為」などがあることがわかります。それでは果たして、「病原菌やウィルスに攻撃されず」、「交通事故などに遭わず」、「血圧、コレステロールなどを正常の範囲に収めて食事のバランスを取り、運動をし」、「ストレスをその日のうちに捨てる」と人間は病気にもならず、死にもしないのでしょうか?

 

(平成26510日)