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埼玉県の学校で新一年生の入学式に先生が4名、休暇を取った。これに対して「職場放棄」と「家族を大切にする方がよい」という意見が対立している。新聞では漫画家の倉田真由美氏が休暇を取るのは当然とし、教育評論家の尾木直樹氏が休暇を取るのは公教育の価値の低下だという論評を出している。

 

病院の先生は患者さんが危険な状態だからと言って、「定時ですから家族との食事があって」と帰ることはできない。それどころか、自分の患者さんが緊急になった時は睡眠もとらずに病院に駆けつける。

 

消防士は自分の家が緊急でも火事となれば出動する。警察官も、自衛官も同じで、これらの職業に携わる人の家族は、それが誇りとなっている。「家族を大切にする」ということは、このような時に任務に就くことだ。

 

私は大学の教員だが、大学でも学生が悩んだり、卒業論文の提出が近くなると、何が何でも大学にいって学生をたすける。「人」や「緊急」を職とする人は「家族が大切」などは二の次である。

 

今度のことは「教師は社会的な重要性や緊急性のない職業か」という点が議論するべきことであり、「仕事か家族か」という問題ではない。ちょうど、韓国で船の沈没事故があったが、船長も乗客も人生もあるし家族もいる。でも、船長は乗客を退避させてから船を後にするべきである。

 

もし漫画家の人が言うような理屈が通ったら、日本は二流国に落ちるだろう。意見が違うのは良いが、議論するべき焦点が間違っている。

 

私は「学校の先生」は「医師、消防士、警察官、船長」などとともに、公的な職務を優先すべき社会的責任を持っている職業と思う。年間の休暇は普通の人と同じでも良いが、必要な時には任務を優先する仕事だ。

 

(平成26429日)