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週刊誌でも取材して「あやしい」と感じて記事を出すのをためらった佐村河内事件をNHKが現代のベートーベンと囃して、主力番組で次々と報道した事件。それはまさにここで示す事件、東北大学の先生の幼稚な計算結果を大々的に報道するのと同じである。NHKはなぜこれほどまでにレベルが低下したのだろうか?

 

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「国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルは去年9月に公表した報告書で、温室効果ガスの排出が今のペースで続いた場合、今世紀末までに現在と比べて世界の平均気温が最大4.8度、海面の水位が平均で最大82センチ、それぞれ上昇すると予測した。」(私は政治的数字と考えている)。

 

「東北大学の有働恵子准教授の研究グループは、この予測を基に、海面の水位の上昇で国内の砂浜がどれだけ影響を受けるかシミュレーションを行った。その結果、海面の水位が平均で82センチ上昇した場合、国土は250平方キロメートル、砂浜の91%が失われるおそれがあることが分かったと発表した。」

 

それでもあなた、東北大学の先生?と言いたくなるし、この先生が所属する学科は「学問だから何をするのも自由だが、社会に発表するときには専門家としての知識とレベルを持つこと」という警告は必要だ。これは学問の自由(精神的・内的自由)と異なるからだ。学問としてはなんの価値もない、中学生ぐらいがやる夏休みの宿題の回答のようなものだ。

 

それが東北大学の先生の研究としてNHKが報道するのだから恐ろしい。計算は単純で、国土地理院などが発表している日本の標高のデータを基に、82センチより標高が低いところの面積をパソコンで足し算したに過ぎない。

 

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日本の海岸線の水位は、常に数10センチの上下をしている。たとえば、大阪は100年余りで3メートル近く上がり、御前崎は10センチ程度上がり、尾鷲は5センチ下がっている。場所ごとの上下の原因は現在の気象学では明確にはわかっていないので、東北大学の先生が海岸線の水没を計算するなら、「学問でわかっていないことを仮定した」ということになる。

 

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またこのグラフのように世界的に平均気温が上がっているとされている。私はこのグラフは「都市のヒートアイランドの気温を測ったもの」として採用していないが、IPCCはこのグラフをもとにしている。

 

世界の平均気温が上がっても、下のグラフに示したように、日本を取り巻く海の水面は上下していて、気温の変化とは無関係である。

 

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東北大学の先生にお会いしたら聞いてみたいと思うけれど、これまでの平均気温と海水面の変化を説明できないのに、単に「IPCCがそういっているから」ということで計算し、発表したとすると、学者はやめたほうが良い。おそらくこの先生の研究を知っているのだが、普段はもっと学問的な研究をされている人だから、もしかするとNHKのあおり記事かも知れない(立ち話程度のものを記事にしたようなもの・・・NHK記者は「温暖化記事なら根拠不要」と思ったのか?)。

 

学者というのは真実に対して興味があるから、IPCCのような政治団体(「政府間パネル」で自由に学者は参加できないし、議論も政府が指定した学者だけ)の発表を使うことは考えられないからである。

 

ちょうどナチスの時に多くの学者が「ゲルマン民族の優位性」という論文を書き、後のユダヤ人の大量虐殺に結び付いたように、政治と科学の癒着ほど、怖いものはないことを学者は知っているからである。

 

もし先生がこのような発表をしたのなら、東北大学は学問の府に帰ってもらいたいし、NHKがいい加減な取材をしたなら、佐村河内事件と同じく「世論操作」のためには何でも報道するという姿勢そのものにあることがわかる。

 

NHKは批判を聞かないから、どんどんレベルが下がるのは仕方がないが、受信者の批判に謙虚に耳る傾ける番組でもはじめたらどうか。

 

(平成26214日)