東京電力から海に出ている水にストロンチウム500万ベクレル(1リットル当たり)が検出されたと発表されました。これは規制値の16万倍ですから、「規制値の何倍か?」という程度も超えている数値です。
また、福島原発から毎日、空気中に漏えいしている放射性物質量は明らかにされていませんが、おそらく数1000万ベクレルから数億ベクレルと推定されます。またいったん土の上に落ちた放射性物質の再飛散による被ばくは事故当時の2分の1ぐらいと考えられますが、それでもかなりの量になります。
一方、福島県の医師団によりますと、相変わらず福島の子どもの甲状腺がんは増え続け、この一年で、甲状腺がんが26人から33人、疑いのある子供が32人から42人に増えた。通常の患者数の約10倍程度になります。
医学的に言えば「通常」というのが良く分からないので、まだ確定的ではありませんが、福島の医師団が言うように「これは原発の被曝の影響ではないと考えられる」ということでもありません。それも根拠がないからです。科学者や医師は人の健康に関することを「自分の感でそう思う」と病気になる可能性のあることを言ってはいけないのです。その時には勇気をもって「わかりません」と言うべきです。
このような状態の中で、現実的にどのようなことに注意をするべきでしょうか? あと2年程度は福島の状態を見ながら、子供のこと、家族のことを考えてもう少し注意をするべきと思います。
ポイントは、サカナ、お米、山や川のもの、タケノコ類などの食材です。サカナは千葉沖以北の、千葉、茨木、福島、宮城、岩手、青森の太平洋側、北海道の太平洋側で、遠洋ではない近海から取れた魚は食べないほうが良いでしょう。
すでにセシウムだけは測定され、北海道、青森あたりは安全ですが、ストロンチウムが測定されていません。「測定しなくても大丈夫」と言っている人がいますが、それは「測定したくない。ストロンチウムが入っていても売れないと困るから安全という」ということです。
ストロンチウムは魚の骨から体に入り、人間の骨に沈着して白血病などを起こします。
二番目はお米です。お米は食材としてはそれほど汚染されていませんが、なんといっても毎日、もっとも多く食べるものです。普通の細菌やウィルスの場合は、どんなに少量でもある食材が汚れていれば、それが体内で増殖しますので、危険ですが、放射性物質は増殖しませんから、「大量に食べるものに注意」していれば、少量のものは大丈夫ということです。
そこでお米はできるだけ西の方のものを選ぶことです。2011年に収穫された福島などの汚染米がどこにいったのかまだ明らかになっていません。
山のイノシシ、川のアユ、シイタケなどのタケノコ類も少し待ったほうが良いでしょう。シイタケでも大丈夫なものもありますが、「安全だ」として販売されているもののベクレル(汚染度;セシウムとストロンチウム)を表示しているシイタケはありません。ぜひ、生産者の方には「自分の儲けより、お客さんの健康」を第一にしてほしいと思います。
また事故当時ほどでもないので、マスクは風の強い人か、花粉症だからついでにという程度でやるのが良いと思います。また1階、2階で洗濯物を干した場合で、風が強い場合は、簡単に外でパタパタとやって取り込めば、これも被曝量を3分の1とか5分の1に減らすので、病気の可能性を減らす。
いずれにしてもストロンチウムが規制値の16万倍というのを厳しく考えて、上手に食材を選ぶ時期と思います。
(平成26年2月11日)