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このシリーズの(4)までで、被曝の規制は1年10マイクロシーベルトの「免除レベル」と、1年1ミリの「線量限度」があることがわかりました。これは法令で  決まっていますし、他人に危害を与える可能性があるので、違反した人には罰則が科せられます。

 

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これは所轄官庁の文科省が「福島事故前」に大いに宣伝していたパンフレットの一部ですが、一般公衆の被ばく限度が1年1ミリであること、クリアランス・レベルを決めるための目安の線量が1年0.01ミリシーベルトであることがはっきり書いてあります。

 

私の記憶ではこのパンフレットは福島事故の起こる1年前ぐらいに出されたものと思いますが、直近に政府が出したものを、事故が起こったからと言って「1年1ミリってどこに書いてあるの?」と言ったり、「武田は一般人の限度が1ミリと言っているがけしからん!」とバッシングするのですから、政府も専門家もそうとうなウソつきですね。

 

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ところで、1年0.01ミリを超えると犠牲者がでるのですから、国家としてはそのような危険なことをした人を罰しなければなりません。これも文科省のパンフレットですが、クリアランス・レベルを超えるものを無許可で扱った人は、罰金30万円から50万円だったのですが、これでは不十分だということで、国は、1年以下の懲役、300万円以下の罰金に罪を厳しくしました。

 

罰則が厳しくなったのは確か2010年(事故の前の年)ですが、それを決めた人は事故後、100ミリまで大丈夫と言ったり、福島で「被曝を怖がるのは間違い」などと言った人なのです。それに最終的に決定したのが政府ということですから、朝令暮改というか、ご都合主義というか、かなりのものです。

 

この1年0.01ミリという「目安」から計算すると、物品の場合、おおよそ1キロ100ベクレルになります(明記してあります)。だから、1キロ100ベクレル以上のものを運搬したり、取り扱ってはいけないのですが、環境省はがれきを捨てられないので、80倍の8000ベクレルまで上げたり、汚染されているものを取り扱ったりしています。

 

検察は何をしているのでしょうか? 法治国家は役人だけは無罪などという規則はありません。一般の日本人を懲役1年以下にすると言っておいて、自分たちの都合が悪くなったら、役人だから逮捕しないというのでは法治国家の検察のメンツやプライドゼロという感じです。

 

1年0.01ミリを超えてもこのぐらい厳しいのですから、1年1ミリを超えれば、さらに厳罰が科せられるということです。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とはよく言ったもので、日本人、全体で自分たちの約束を反故にして、法令を守ろうとした人に「黙れっ!」と言ったり(石原元知事)、「ヒステリー」と言ったりしたのですから、品性を問われますね。

 

(平成26127日)