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このブログで私は「今まで対立があったもののうち、「意見の対立」ではなく、実は「事実の合意」が不足しているのではないかと思うものについて、「事実を共有」して、できるだけ対立を減らし、日本全体で前進する力を生み出そう」という活動をしている。

 

その一つが「普通の歴史」で、歴史の事実(きわめて簡単な事実)について共通の知識を得ておきたいと思う。先の戦争では日本で「侵略戦争であった」という人と「当然の戦争だ」という人がいる。最終的な考えは別にして、事実を確認しておきたい。今回は「日本は誰と戦ったのか?」である。日清戦争は少し様子が違うので、後で詳しく整理することにして、まずは日露戦争からのリストを作ってみた。

 

戦争の名前の次に日本が戦った軍隊(国名)、スラッシュの後にその国と戦った場所、さらに()の中は当時の状態という順序である。

 

1)日露戦争     ロシア/満州(ロシアの占領地)
2)第一次世界大戦  ドイツ/遼東半島(ドイツの租借地)
3)日中戦争     中国/上海(日本の租借地)
4)大東亜戦争    イギリス/シンガポール、マレーシア、ビルマ(ともにイギリスの植民地)
           フランス/インドシナ(フランスの植民地)
           オランダ/インドネシア(オランダの植民地)
5)太平洋戦争    アメリカ/ハワイ(アメリカの占領地)、フィリピン(アメリカの植民地)

 

このようにまとめてみると、日本は中国人以外のアジア人(自国民)と戦ったことはなく、敵は常に白人であった。そして戦った土地はもともとはアジア人のものだったが、日本が戦争した時には占領地や植民地だった。そして、日本が敗れた後、その土地で戦ったのは次の通り。

 

満州    ロシアから中国が奪還
シンガポール、マレーシア、ビルマ: それぞれのアジア人がイギリス軍と戦って独立をする
インドシナ インドシナの人がフランス軍と戦ってベトナム、ラオス、カンボジアとして独立
インドネシア  インドネシア軍がオランダ軍と戦って独立
フィリピン   日本が敗れたことでアメリカが撤退し独立

 

つまり、白人に歯が立たなかったアジア人の代わりに日本人が戦い、一時的に日本軍が白人に勝ったので、日本が負けた後、自信を持ったアジア人が白人に対して第二次の独立戦争を行って、ほぼ全部、独立した。日本が最終的にアメリカを破っていたらどうなっていたかはまた別の機会に整理をしたい。

 

つまり、日露戦争からアジアの独立戦争の終わりまで、アジア側と白人側を分けると次のようになる(激しい戦闘を行った軍隊)。

 

アジア人側:日本軍(朝鮮軍、台湾軍)、ベトナム独立戦線、インドシナ独立戦線、チベット軍
白人側:  アメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、ロシア軍、オランダ軍、中国軍

 

これが歴史的事実で、この結果をじっと見て、まずは日本人が先の戦争をどのように考えるのか、そこで第一回の議論をしたほうが良いと思う。また上の事実は違っているという方がおられたら、ぜひ、事実の訂正をお願いしたい。戦後の教育は日本が敗戦した時に戦争が終わっているような整理をしているが、実際にはアジア人と白人の戦いは続いていた。

 

その中で中国だけは、日本との戦争の後、戦後はチベット、ウィグル、満州、後に韓国(朝鮮戦争)と戦った。アジア人の中では珍しく、唯一、白人と戦わず、アジア人と戦ったのは中国人だけだった。

 

私たちはケンカをするために日本で暮らしているのではなく、仲良く生活したいのだから、事実の共有ぐらいはして、そのから話を始めたほうが良いと思う。

 

なお、日本が江戸末期に開国してから、明治維新を迎え、日清戦争に勝ってやっと植民地になることを逃れた。日清戦争では当時の中国を支配していた清国と戦って勝ったら、朝鮮と台湾をくれた。

 

日本は朝鮮とも台湾とも戦っていない。当時、中国の属国だった朝鮮を清国が日本にくれ、台湾は「化外地」(中国ではない土地)であったので日本にくれた。千島と樺太はロシアとの「交換条約」で日本の領土となった。

 

この事実の確認が終わったら、「侵略戦争」という定義と、「侵略戦争をしたら批判される国と批判されない国の区別」をしておきたいと思う。

 

(平成26年1月21日)