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不思議なことに「環境のための節約」などできないし、「自分が得するための節約」なら人に威張ることもありません。それなのに知識人や主婦など、一見して真面目な人が他人に節約を勧めたり、「節約は大切なことよ」などと言ったりしています。錯覚とは恐ろしいものですね。

 

でも、ここまで話をしてきたように、「節約」は不道徳です。弱いものをイジメ、若い人の才能をつぶし、日本が衰退するのですから、良いはずはありません。そして日本の文化と言われる「もったいない」というのは物を節約することではなく、「私のようなものに、そんなこともったいない」という謙虚な心であって、物に関係する言葉ではないのです。

 

「もったいない」は「高貴な方からそんなお言葉をかけていただいて、もったいない」ということで、日本文化には、「心を大切にする」というのはありますが「物を大切にする」(無駄に捨てないということは含まない)という文化はありません。

 

その証拠の一つがお正月のおせち料理で、そこには大漁(魚をふんだんに食べる)、豊作(お米を腹いっぱい食べる)、金銀財宝(ぜいたくな生活をする)、子だくさん(子孫に恵まれる)などの思想が詰まっています。

 

また七福神の船を見ると、海面には鯛がはね、富士山がそびえ、船の中には金銀財宝、豊かな食糧に満ちています。日本文化は「金がまぶしい国、ジャパン」だったであって、決して縮こまった国ではなかったのです。

 

なぜ、私たちの祖先はなぜ「繁栄」の方が良いと考えたのでしょうか? もし私たちの周りに一切の「敵」がなく、世界で日本人だけが住んでいれば、日本が「繁栄」しても「衰退」しても同じなのですが、日本の周りには「危険」と思っていたほうが良い日本人ではない人たちが住んでいます。

 

私たち大人はそれでも良いかも知れませんが、国土のように継続的なものは自分の世代だけではなく、次世代のことも考えなければなりません。(国の力=人口×活動量=エネルギー消費量)

 

私たち日本人は「無駄をしない」ということと、「明るく楽しい生活」をどうしたら調和することができるでしょうか?

 

第一に、お金を国家にとられないことです。

 

誠実な国民なら、「耳触りのよい言葉を使って(節約、もったいないなど)、国民に貯金を促し、そのお金で政府財政を赤字にして、それが増税になる(事実としてそうなった)」という専門家やNHKの誘導に加担しないようにしたい。
このことを私は6年ほど前「国債を買ってはいけない」という本を東洋経済新社から出し、専門家からバッシングを受けたが、「節約していると政府の借金が増えるから増税になる」と書いたことがバッシングの原因となった。今から考えると、彼らの作戦に対抗したことになっていた。

 

第二に、年金は崩壊することを前提に財産を持っておくことです
だからと言って貯金が不要なわけではない。「積み立て型年金」は厚労省の計画通り崩壊し、「賦課型年金(若い人が払う)」も少子化で崩壊する。成功する年金制度はまだできていないので、私たちは自衛のために若いうちから、ファンドなどを良く選んで老後に備えておく必要がある。
第三に、若い人に節約を強いて人生をダメにしないように。

 

電気も、ガソリンも、コンクリートも「人」のために存在するもので、日本だけ突出しては問題ですが、せめてアメリカ並みならOKというぐらいのガイドラインが良いと思います。(日本は、電気やガソリンは現在の2倍ぐらいまでOK。コンクリートはまだまだ少ない。若い人はやることが多いので、あまり節約など考える人生の時期ではない)。

 

第四に、「節約は善」であると価値観を転換することです。

 

「物」に向かっている自分の心を「心」に関心を持つようにし、人とのいざこざを減らしたり、楽しく豊かな人生を目指したりすることに転換する。「自分や他人の人生を有意義に楽しくする」ということを「善」と考える価値観に転換するのがおすすめです。

 

第五に、誠実な人が出世する社会を作ることです。

 

何と言っても、社会の指導者が誠実であることが大切で、そのためには学校の教育や社会の人の評価が「ウソをつく人より正直な人を評価する」という社会を作っていく必要があります。

 

(平成2618日)