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今の日本経済のことで先日、ある高名な経済学の人に質問したら、実に的確に、かつ高度なご回答を得た。資料も教えてもらい、私としてもずいぶん、勉強になった。でも、今日もずいぶん、「経済学」というのが違う意味や内容で使われている。

 

たとえば、安倍首相が「原子力を止めて火力発電用に石油を買ったので4兆円の貿易赤字になる」と発言していた。私がその人に「4兆円で石油を買ったといっても、石油を海に捨てたわけでもなく、4兆円の価値のあるものが日本にあるのだから、「赤字」というのも変ですね」というと、「安倍さんは間違っているのです」とお答えになり、さらに隣にいる人が「官僚は間違っているのをわかって、安倍さんに言わせているんだ」という。

 

つまり経済学的に誤っていることが私程度の人間がすぐにわかるようなことでも、「自分に都合が良ければ国民をだます」というのを首相もするような社会なのだ。でもこのようなウソは「空気」となりNHKが報道し、定着していく。それを覆すのは容易ではない。この手のものに私の領域では、「森林がCO2を吸収する」とか、「地球が温暖化している」というのがあり、なかなか否定するのすらむつかしい。

 

最近のAクラスのウソは「国民一人当たり800万円の借金。子孫にツケを回すな」というNHKの報道だが、「貯金」を「借金」と言い換えるのだから相当なウソだ。

 

その人からいただいた経済の雑誌に、「経済学はとても役に立つものだ。(中略)でもそれが役に立たないのは経済を知らない人が多いから」とあったが、それもあるかも知れないが、これだけ経済学を知っている人がウソをつくと、少し経済学をかじったぐらいではすぐ疑問を生じてしまう。

 

「原発を止めても日本の電気は大丈夫か?」という問題に、すでに3年近く「原油を輸入すると日本経済に打撃になる」という話が残っていることが、原発問題の解決を遅らせている。その原因は「ウソを言う官僚、専門家と、それに乗る首相」というかなり奥深い問題があるからだ。

 

CO2で地球が危機的な温暖化に陥ることはないと思うが、もし仮にCO2を削減するべきだとしても、アメリカは電気を作るのに一人当たり日本の約2倍のCO2を出している。「なぜ、アメリカ人がCO2を2倍出しているのに、日本人はCO2を出さないようにするために火力発電所を作ってはいけないのか?」と聞くと、質問した人が良く分かっていると思うと、露骨なウソをつけないから「日本人はアメリカ人の召使いだから」という意味の答えが返ってくる。

 

時々、日本人には誠意も知性もなくなってしまったのか!と哀しくなることすらある。でも、私たちがしっかりしないと、私たちの子供は悲惨な生活をするようになるだろう。

 

(平成251221日)