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総理大臣の徳目違反と言えば、民主党の三人の首相を思い出す。選挙に勝てば公約は守らない、お母さんから月々1600万円の贈与を受けていても税金は納めないという具合だから、徳目も何もない。

 

でも自民党と安倍政権になって少しは良くなるかと思った。というのは安倍さんが第一次内閣を組閣した時「美しい国、日本」と言ったのだから、まずは「正直、誠実、礼儀」などを優先してくれると考えていたからだ。

 

ところが、安倍さんは真逆なことを平気でいう人であることを知って愕然とした。それは、若干、科学的なことだけれど安倍さんの周りには科学がわかるスタッフがいるのだから、次のようなことがあってはいけない。

 

  1. 電気会社に言われたような感じだが、白熱電球や蛍光灯からLED照明に変えようと呼びかけるときには、「白熱電球を使うとCO2を多く出すので、LEDに変えよう」という。私の記憶では新聞の1面全部で広告をしていたようだ。政治家が自分でいうのだから、自分の信念だろう。

  2. 自動車会社に言われた感じだが、水素動車に補助金をつけるために「水素自動車はCO2を出さないので、エコカーだ」と演説した。

この話を技術系の人にしたら「安倍さんはそれほど頭が良いとは思えない」と言っていたが、日本の首相だから、このような初歩的な誤りを言ってはいけない。というか、わかっているのに真逆のことを「自分の得になるから」と言ってご都合主義では「美しい日本」(正直、誠実、礼儀)を作ることはできない。

 

LEDは電気で光る。天然ガスを買ってきて、それを燃やして電気を作るが、その時にCO2がでる。家庭でLEDの照明を使ってもまさかLEDからCO2がでるわけでもない。そんなことは小学生でも知っている。

 

水素自動車は水素と酸素を燃やして(反応させて)自動車を走らせる。天然ガスを買ってきて、それから水素を抜き取るが、残りが炭素なのでそれを燃やすからそこでCO2がでる。自動車を動かしているときだけはCO2を出さないが、天然ガスを車に詰めて走るのと同じだ。

 

私はCO2を減らす必要はないと思うが、仮にCO2を減らさなければならないとしても、いくらなんでも、このようなことを二つ同じ人がいうというのは「誠実さ」に悖ることは間違いない。自分に考えなく、ただその時の損得でいっているだけだから、日本にとっては大きな損害となる。

 

このように相矛盾することを平気でいうのは、今の50歳以上の男性にみられる一つの病気のように感じられる。というのは、50歳以上の男性で原発を賛成している人がいるが、実に奇妙だ。

 

●質問「原発は安全ですか?」・・・答え「安全です」
●質問「東京の電気をなぜ新潟で作るのですか?」・・・答え「危険だから」

 

これが同一人物の答えだろうか? 電気が欲しいから原発は安全だ、でも自分は被曝したくないから原発は危険だ、という。

 

安倍首相のLEDと水素自動車も同じだ。電気会社と自動車会社から頼まれたのでなければ、こんな矛盾したことを自分でいうはずもない。

 

●質問「LEDに使う電気を作るときにはCO2はでないのですか?」・・・答え「出ないことにしたい」
●質問「水素自動車に使う水素は何から作るのですか?」・・・答え「聞かないでくれ」
●質問「なぜLEDはCO2を出さないと言ったのですか?」・・・答え「LEDを売りたいから」
●質問「なぜ水素自動車はCO2を出さないと言ったのですか?」・・・答え「水素自動車を売りたいから」
●質問「なぜ、売りたいからと言って国民をだますのですか?・・・答え「お金の方が誠実さより大切だから」

 

ということになる。これでは「美しい国」とか、「日本の誠実な伝統を守ろう」と言わないほうが良い。食品偽装などを起こさないためにも、原発が爆発しないためにも、日本に誠実さを取り戻し、小学生にそれを教えなければならないが、首相がこれではなかなかむつかしい。

 

屁理屈を言って教室で大声を出す若者を先生が注意することなど到底できない。

 

(平成251125日)