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規制値は現実にどのように運用されているのか。たとえば職業人の被曝限度は120ミリシーベルトだったが、やはり少し危険でもあり、また日本の判例では15ミリシーベルト以上被曝で白血病になると労働災害に認定されるなどがあった。

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そこでこの図でも判るように「成人男子、原発作業員」という日本の中ではもっとも被曝が多いと考えられていた人についても、1990年のICRPの勧告(一般人が11ミリ以下)以来、自主的に平均11ミリという規制をしていた.

これは医師も同じで、レントゲン室の防御などを通じて、実質10.7ミリになっていたとされる.つまり「11ミリ」という規制値は現実的には、職業的被爆者、医師を含めて尊重されていたということがわかる。

これに対して事故後、文科省大臣が「児童生徒の被曝限度を120ミリにする」としたのは、職業的被曝に対してもかなり被曝量が多かったことが判る.

次に、具体的な設計基準や取り扱い基準だが、次に挙げたものは「クリアランスベレル」とそれに違反したときの罰金刑についての文科省パンフレットの一部である(2010年設定).

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この図は、一般物、たとえば瓦礫や廃棄物、製造品、花火などすべてのものについての規制を示している.世界平均の自然被曝が2.4ミリであること、一般公衆の線量限度が1ミリであることを示し、これに対して最初に示した「免除レベル」を日本では0.01ミリにするとしている。

これに違反する物品を取り扱った場合、1年以下の懲役もあることを示している.

原発事故が起こる前まで、罰則規定が緩く、違反が続いたために政府は事故の前年に規定を変更して1キロ100ベクレルを超える物品を扱ったら懲役まであり得ることを示した。

しかし、事故後は放射性物質を含む瓦礫の限度を一気に8000ベクレルまであげる指導もあり、懲役刑という重い刑罰の対象となるものを政府がこれほど簡単に変更することは許されるのかという疑問が生じた.

また、個人的な批判をしたくないが、一般公衆の被曝限度やクリアランスレベルを決めた人は、日本の中で放射性物質、被曝と医療、原子力などにもっとも権威のある人たちで作る委員会であり、たとえばここで示した放射線審議会基本部会もその一つである.

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委員の顔ぶれを見ると、医学部教授、環境保健教授、放射線医学総合研究所リーダ、分析センター幹部、それに原子力関係者が名を連ねている.当然ではあるが、日本の規制値を決めるのだから、日本の専門家が参加していることは言うまでもない。

しかし、事故後、ほぼ同じ人たちが、「規制値は存在しない」、「1100ミリまで安全」などとの発言をくり返したことは残念であった.

(平成25104)