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この普通の歴史の第三章、つまり「一等国の時代」に比べると、大東亜戦争(太平洋戦争、第二次世界大戦)はかなり簡単だ。

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日本が上の地図に示したように、千島列島から南洋諸島までを領土にして一応、独立を果たしてから、隣国だった中国とのいざこざはあるにしても、遠いアメリカにはまったく野心もなにもなかった。

ここまでをまたまとめてみると、日露戦争までは「受け身の戦争」であり、歴史をどう見るかということに意見の相違は少ない。第一次世界大戦と満州国建国は日本が一等国になったことの普通の行為でこれも問題は無い。

先回に整理したように北支と上海からが問題だが、この時も日本は受け身の戦いだったが、敵を見誤ったということだった。ところが、そんな時に、奇妙な事に日本とアメリカが開戦する事になったのはなぜか? 

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その鍵を解く最も重要なことが「アメリカの西進活動」だろう。この図にあるように1776年に建国したアメリカはワシントンなどを中心とした東部13州で、これもインディアンから奪い取ったものだった。

その後、よほどアメリカ人は切羽詰まっていたのだろう. 13州で満足していれば良いのに、「西へ・西へ」と進出し、600万人と言われる住民(インディアン)を虐殺してカリフォルニアに達する.

もしかするとこの段階でアメリカ人の心の中は「人を殺しても良い.他人の領土をとっても良い」という錯覚に陥っていたのかも知れない.またこの考えはかつて4000年前にカスピ海の北から他人の土地を侵略しながら膨張してきたアーリア人(アメリカ人もその一つ)の基本的な考えかも知れない.

19世紀後半には、アラスカ、ハワイ、フィリピン、グアム、サイパンをとって太平洋を抑えたアメリカは、日本と中国に進出を始める.中国は弱かったから鉄道を中心とした投資を始め、1930年代には対中国投資はアメリカが日本を上回るまでになった.

当然、利害は一致しない。アメリカは中国を取ろうとしていたし、それには日本が邪魔だが、日本は手強い. ルーズベルト大統領は就任するとまずアメリカの太平洋艦隊を増強して日本との戦争に備える.

一方、日本も「いつかはアメリカと戦争かな」と思っていた. 日本はアメリカ本土どころか、ハワイに進出するつもりなど無かったけれど、アメリカは自分が太平洋を抑えたので、日本も同じように考えるだろうと錯覚したのである.

アメリカが西へ西へと進出するのは衝動のようなもので理屈ではないと思う。というのは、アメリカ大陸はかなり大きいので、アメリカの土地だけでやっていくことはできる。民族が他に進出するのは「そこに住んでいると貧しいから」に他ならない。ところがアメリカ人は土地が広大で資源も豊富、食料も豊かなのに他人の土地を欲しがる。困った民族だ。

太平洋戦争が起こった第一の原因は、日本の軍国主義(もともと軍国主義ではないが)ではなく、アメリカが太平洋を渡って日本まで来たからだ。反日日本人は「アメリカは白人だから太平洋を渡る権利があるが、日本人は黄色人種だから、そんな大それた事をしてはいけない」という考えだが、それはあまりにも卑屈だ。

そして第二の原因は今のTPPに相当する経済制裁だった。

(平成259 6日)