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日本にはいろいろなナゾがある。都市伝説と言っても良いけれど、その一つが“ボジョレヌーボ”というものだ。最近ではそれほどでも無いけれど、一時はフランスの新しいブドー酒が出荷される時期になると、「ボジョレ解禁」ということで、酒屋にはボジョレが並び、バーに行くとママが「今日はボジョレね」といって出してくる。

でも、少しおかしい。まずは次の表を見てもらいたい。

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世界の一人あたり、ワインを飲む量は日本が2リットルだが、ヨーロッパは少ない国で20リットルと日本の10倍。イタリアやスイスなどのようなワイン好きの国は40リットル以上は飲む。日本の20倍だ。

ところが、ボジョレヌーボの輸入量は日本が世界の約半分、46%も輸入する。それに対してワイン好きのイタリアやスイスはたった2.2%、つまり日本の20分の1にもならない。

ワインを日本の20倍も飲む国が、ボジョレになると日本の20分の1というから奇妙だ。一人の一人が飲むワインの中でボジョレの占める割合という点では「日本はイタリアの400倍」と言うことになる。日本人は田舎者なのか、NHKが「空気」を作ってしまうのか、なにか恥ずかしくなる。

日本人が世界で笑いものになる例は多い。このボジョレヌーボが一つ、もう一つは産業人なら誰でも知っているISO9000とか14000とかいう資格(規格)だ。こちらはイギリスが発祥地だが、日本の会社はISOの資格を取らないとビジネスもできないと言って、これも世界の半分が日本という「笑いもの状態」だ。

地球温暖化は、アメリカが震源地で、当のアメリカは何もしていないが、日本は世界でタダ一カ国必死でCO2の削減をしている。リサイクルはドイツ発だが、家電リサイクルのようなことをしているのは日本だけ。

ワインはフランス、ISOはイギリス、温暖化はアメリカ、そしてリサイクルはドイツ・・・どうも白人コンプレックスのようにも思えるが、日本での震源地はNHKに代表されるマスコミで、「右へならえ」主義があるから、一つの新聞や放送局が報道すると、全局が同じことを言う。だからいつも「全員一致」となって、外国から見ると「日本人ってなに?気持ち悪い」ということになる。

個性なし、個人の意思なし、集団主義、多様性なし、違いを認めない、そしてバッシング文化なのだろう。でも日本のように2000年の歴史を持ち、確固とした日本文化を持つ国としては珍しい。ある心理学者は、明治維新と第二次世界大戦ですっかり日本人は幼児化したと分析しているが、本当にそうではないだろうか?

最近、さらに幼児化は進み、“ゆるキャラ”なるものが横行している。幼児がゆるキャラを喜ぶのは良いとして、大人までがキャーキャー言っているのを聞くと「たわいがない」では済まされない気がする。

「平和が大切」と叫ぶ人たちも、アメリカがイラクに「大量破壊兵器がある」と言ってイラクに大量の軍隊を送っても、シリアが「化学兵器を使った」と言って国連安保理での決議もしていないのに、「明日は空爆か」と報道し、批判的コメントを聞くことができない。

幼児化、親方日の丸、羊のような集団・・・なんと言ったらこの情けないボジョレヌーボ騒動が終わらないのだろうか?

(平成2595日)