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「普通の歴史」を「満州国の建国、その1」まで整理をしてきて、ふと思ったことがある。あまり踏み出してはいけないが、人間の頭はどうしても近い未来が気になる。

このまま整理を進めると「一等国になってはいけない」、「努力をしてはいけない」、「良い方法を採用してはいけない」という変な結果になるのではないか?と危惧されるからである。

それでも良い。「こうなるから、こうやってはいけない」などと結果を予想して検討を重ねてはいけないからだ。でも、気になる。

明治維新以来、日本は中国や朝鮮と違って、いち早く「ヨーロッパ化」を進めた。徳川幕府から明治政府にして、中央集権、ヨーロッパ風決定方式、武士から組織化された日本軍へ、大学などの整備を行った。

だからこそ、日清戦争に勝った。日露戦争にも勝ったのは、厳しい訓練、国家意識(乃木将軍に代表される)、下瀬火薬に代表される技術革新だった。一つ一つは「良いこと」だろう。でもその結果、戦争に勝ってしまった。第一次世界大戦もそうだ。

満州国になるとさらにその傾向が強くなり、あまりに「良いこと」をしたので一等国になり、中国、ロシア、朝鮮などの周辺国家よりダントツに優れ、その結果、清の最後の幻の皇帝が祖国に国を作ろうと思って日本公使に助けを求めるという事態になる。

溥儀(皇帝)にしても、自分は清の皇帝の直系だから血筋は誰にも負けない。出も力を失い祖先の墓も爆破されてしまった。そうなると国を再建するには力が合って、自分を理解してくれるところに助けを求めるしかない。そこで日本公使宅へ転がり込んだ。

日本も国が損をすることはしない。だから満州国を建国して溥儀の希望に添い、かつ日本に得になるようにした。

でも、有色人種の発展を好まない白人から見ると日本の行動は許せない。日本の行動自体が世界標準として許せないのではなく、下等な民族である有色人種の行動として許せないのだ。

これと同じ事が1990年に起こっている.

戦後、日本は軍事に変えて経済で「良いこと、努力、良い選択」をしてきた。その結果、世界に冠たる経済大国になり、一等国になった。

高度成長は1954年から1990年までの34年間で、その間のGDPの伸びは8.8.道路や学校、すべての物が一緒に良くなるので、個人の給料が8.8倍になるのではないが、実質、月5万円の給料が44万円になった。つまりアメリカやフランスと同じ生活が出来るようになり、これこそ「努力の成果」だった。

ところが、一等国になると日本バッシングが始まり、1980年代はアメリカ、今は中国や韓国がバッシングをしている。そればかりではない。国内にも「経済反日日本人」が登場して「もったいない」、「分別しろ」と言って、お金を使おうとすると非難、時間を有効に使おうとすると非難してくる.

一体何を目指しているのだ??

「一所懸命になって努力をして一等国になると、国内にも「反日日本人」が登場して、満州国はダメとか、もったいないと言い出す。

面倒なものだ。

今から100年前。一等国になると言うことは国を拡大して豊かで安全な国にすることだった。それ以外の行動を取る国はなかった。一等国になったのに、領土を増やさなかった国は現実にもなかった。

5万円の給料が44万円になって、「もったいない」といって月5万円で生活するという方法がない。同じ事を言っている.一貫性がない。

(平成25823日)