ほとんどの人にとって毎日の朝は辛いものです。ちょうど睡眠のタイミングがぴったり合って爽やかに起きる場合もありますが、最近の生活は目覚まし時計でおきますから、ぐっすり眠っていようが時間が来たらたたき起こされるのですから、爽やかな寝起きを望むのも無理でしょう。
だから、どうしても起きることができない、起きてもしばらくは気持ちが悪い・・・などという悩みを抱えている人が多いものです。
東大の教養部でながく学生の指導をされてきた跡見順子先生の研究によると、朝起きることができないとか、それが続いて精神的に不安定になる学生にはある特徴がある・・・体を動かす前に頭を動かす・・・ということに気がつきました。
その後、先生はご研究を続け、「頭と体の関係」を明らかにされました。それによると、朝、どんなにぼやーっと起きたとしても、無理に考えたりしないで、とにかく体をしばらく動かすことだそうです。
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カーテンを開けて朝日を浴び、簡単に寝床を片付け、朝の準備をする・・・独身ものや女性なら朝食の準備などをするまではあまりテレビも見ず、今日の予定も考えない・・・頭をできるだけ使わないようにする・・・そうすると徐々に元気が出てきて気持ちの良い朝に変わっていく。
それで充分だったのだが、最近ではあまりに「減塩食事」をやり過ぎて血圧が低い人も多い。特に若い人では登校できないまでになることがある。かつて「塩」は戦争の原因にもなったぐらい、人間に必要なものだ。もっとも塩分の摂取量が多い長野県が、もっとも長寿だということも事実だ。
「血圧が高い」というのは「数値が高い」ことを言うのではなく、自分の体の調整機能が衰えて、血圧が正常に保つことができないことを言うのであって、血圧が低いのが正常ではない。
また、朝、起きたときに、「ああ、今日も俺には朝が来たか!幸運だな!」と思うことも精神的にはとても良いことだ。物理学的にも「明日」があるかどうかは明日になってみなければわからない。もちろん生物的にも命が尽きれば明日はない。
その点で、毎日、朝が来るので「明日は来るものだ」と錯覚するけれど、明日が来たらしめたものぐらいに思うことも大切なようだ。
(平成25年8月13日)