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アメリカの女優が遺伝子的に乳がんの恐れが強いということで、「乳がんになる前に乳房を切除する」という驚くべき事件が報道され、多くの女性が強い関心を寄せています。

今までの人の人生とは大きく異なっています。もし遺伝子の検査が進んで、子どもの頃に、乳がんと胃がんになりそうな人は、そこで乳房と胃を摘出するということになるのですから、「人間とは何か?」、「病気とは何か?」を考えさせられます。

特に、日本人の場合はまだ研究が進まず、乳がんになる遺伝子はそれほどハッキリ特定されていません。少し前まではBRCA2が強く関係していると言われていたと思ったら、BRCA1だとか、さらにはP53PTENにも注目されるようになり、まだ道半ばです。

アメリカの女性の例が参考になりにくいのは、乳がんは「タバコによる肺がん」と同じように、民族性が強く、アメリカ人のようなアーリア系白人と、日本人のようなモンゴロイド系海洋民族とはかなり違うからです。

アメリカ女性の乳がんは性ホルモンに強く関係していて60才以上でピークになりますが、日本女性の乳がんの50%以上が45才までになります。だから、アメリカの女優が・・・ということをあまり強く意識すると間違いをおかすことになります。

乳がんの専門の先生の言われていることを簡単にまとめると、
1)できれば適齢期に結婚し、適齢期に出産し、幸福な家庭生活をおくる、
2)あまり極端な洋食生活をせずに、伝統的な日本食を主とする、
3)あまり神経質にならない程度に健診を受ける、
4)第一期に発見できれば99%は完全に直る、
ということになりそうです。乳房は出産育児という女性の活動に関係するので、順調な結婚、出産、朗らかで幸福な日々、のんびりした生活が大切なのは言うまでも無いように思います。

また最近の研究では「洋食と日本人の乳がん」の関係が注目されていますが、まだハッキリした結果は得られていません。やや注意というぐらいです。

遺伝子検査があまり進むと、胎児の時に検査をして産まないとか、出産直後に、胃と腸を切除するなどというところまで行く可能性もあります。男性には肺がん、前立腺ガンなどがあり、女性には乳がんなどがあるのはこれも仕方が無いことで、生物としての人間をかみしめて人生を送ることと思います。

(平成25730日)