少しダブりますが、大切な意識改革なので、もう一度整理します。
1970年代初頭の「石油ショック」のトラウマがまだ色濃く日本を覆っていて、「産油国」とか「資源国」という言葉を良く聞きます。
でもすでに化石燃料については、石油、石炭、天然ガスと多様化し、さらにシェールガス、オイルサンド、オイルシェールなどが出てきますから、海底油田も含めて「資源国」はなくなりかけています。
これはシェールガスの分布図ですが、旧大陸のほとんどの国に資源があることがわかります。先日、書きましたが、もともと膨大にある炭素系資源は「油田」などではなく「全面的に」地下にあることも理解されます。
これが「産油国」が無くなった一つの理由です。
また昔は石炭を腕力で掘り、パイプを突っ込んで石油が自噴したのですが、今では「技術」がなければ「資源」を取ることができません。
エネルギーは石油、石炭、天然ガス、オイルシェール、シェールガス、メタンハイドレード、太陽電池、地熱発電、水力発電など多種類あるので、少しでもコストが高いと膨大な赤字になります。だから、完全なコスト勝負でもあり、そうなると技術がもっとも大切になります。
残念ながら石油や天然ガスの掘削技術は日本は部品だけで、技術全体は遅れています。資源技術を磨くことが日本を資源国にするもっとも良い道です。
その点で「産油国は無い」、「技術が資源だ」という時代になったので、それを十分に理解して技術開発や外交戦略をたてなければならないと考えています。
(平成25年4月14日)