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さて、これまで2回の講義で、1)エネルギーは輸入するものでは無くなったこと、2)新エネルギーは石油の価格を下げるものが無く、むしろ高止まりの材料に使われている、ということを解説しました。

ここでは、もともと化石燃料(石油、天然ガス、石炭、メタンハイドレードなどの「炭素系資源」)はどこから来たのかという話から始めます。なぜ、「炭素系資源」というのが膨大にあるのかということです。

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音声を主体として解説をしますが、地下資源は、1)もともとは大気の中のCO2からできた、2)地球の中で比重が1.1ぐらいのものがどこにあるかは決まっている、という原理原則があります。

地球が誕生したときには温度などから見て炭素系資源は無かったと考えられますが、その後、生物の作用などでCO2が徐々に分解され、空気中に酸素がでるとともに、炭素が地下に沈みます。

CO2の固定は酸化カルシウムCaOにトラップされたりしていますが、それでも理論計算しますと今の消費量なら2000万年分ぐらいあることになります。

そのうちの多くが、人間が容易に手に入れることができる場所にあると考えられます。それは「地球の時間」というのはとても長いので、「地球規模の時間では固体中の拡散係数が、人間の人生では液体の拡散係数と同じぐらいになる」ということで、地球に存在するものは、比重の順番になっていることからです。

地球の中心は比重の大きい金属、その表面に比重2.2の地殻、その上に比重1.0の水、そして大気なので、比重が1.2ぐらいの炭素資源は、地殻なら2000メートルぐらいした(堆積による)、海なら海底の浅いところということになるからです。

日本以外の国では「化石燃料が枯渇する」などという話を聞かないのも、この原理原則がしっかりと報道されるからでもあります。

また、主として鉱山会社から発表される、いわゆる「資源寿命」というのは現実に存在することが公表されているものを消費量で割ったもので、多くの日本人が考えているような「本当の寿命」ではありません。

石油メジャーや鉱山会社は資源製品の暴落を防ぐために常に資源を公表しません。それは不当なことでは無く正統な商売行為と考えられています.

その意味でエネルギー騒動は世界の中で日本だけが枯渇を恐れているのですが、それは「寿命」という日本語の問題とも言えます。

(平成25320日)