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アレルギーで苦しむ人が多い。この時期なら花粉症でアレルギーの典型的なものだ。この他、アトピー、そばアレルギーなどがあり、場合によっては死に至る。

少し前まではアレルギーという名前すら珍しいものだった。当時はアレルギーというと対人関係などで主に使われ、「俺はどうもあいつにアレルギーがあってな」などと使っていた。ここで言う「あいつ」とは「人」のことで、それが今ではアレルギーと言えば病気の事を指す。

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このグラフは埼玉医科大学の丸山先生のご講義のものだが、横軸が西暦、縦軸が感染者数だ。かつては結核や寄生虫などが多く、それで苦しんだのだが、今では結核は少し残っていて危険ではあるが、寄生虫をお腹に抱えている人は少ない。

ところが、その代わりにアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎が増えてきている。つまり、従来の病気が無くなり衛生的な環境になるとまた別の困ったことが起きるということだ。

考えてみると当然かも知れない。

もともとアレルギーというのは「体にとって害をもたらすと思うものが侵入してきたら、それに対する抗体を作って防御する」というもので、異物排斥である。

異物のほとんどは「害を為す異物」のことが多いので、体は強く反応して異物を取ろうとする。寄生虫などはそれに当たるが、異物が少なくなってくると人間は「長い人類の歴史上、ほとんど異物のない生活」を迎えて免疫系が有効に働かなくなってしまった。

もしかするとスギの花粉も人体に対して強い毒性をもち、それが故に「排斥しよう」と鼻水、涙をドンドン出して防御しているのかも知れないし、もしかするとスギの花粉は人体に対して毒では無いのに、無意味に反応している可能性もある。

今の所、スギの花粉はあまり毒性が強くないと言われているが、わからない。人間の体がそれほど長い間、錯覚することもないように思うからだ。また、いったん抗体ができると反応が徐々に厳しくなり、ついには自らの命を奪うほどになる理屈や治療法もまだこれからである。

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私が医学分野では無いが、「生物の相互作用」については長く研究してきたが、生物同士の争いは常に「イタチごっこ」である。イボタという植物とそれを食べるイボタ蛾の話を良くするけれど、イボタが食べられないように防御すると、蛾の方も対策を立てる。

このこと自体が生物を進化させ、人間という種を生んできたのだから、イタチごっこ自体は悪いものでもない。最近のアレルギー反応や抗生物質の効かない細菌などはその典型的なもので、これらの本質を生物や医学、それに哲学も含めて研究を進める必要があるだろう。

(平成25217日)